2020年1月11日、リバプールはトットナムのホームに乗り込んだ。スタメンは考えうる中で最高のメンバーを揃え、トットナム撃破に向け意気揚々と試合に臨む。
フィルミーノは試合開始早々に決定機を迎える。オックスレイド=チェンバレンのパスに抜け出し、エリクセンを巧みなフェイントでかわし左足でシュート。惜しくもタンガンガのブロックに合い、先制とはならず。
開始37分、それでもフィルミーノが決勝点を奪う。ヘンダーソンが粘り、サラーからパスを受けたフィルミーノは、重心でタンガンガをかわし、シュート。そのままゴール右隅に決まり、試合の主導権を握る。
前半はリバプールが支配していたが、後半70分あたりからリバプールはトットナムに押される展開が続く。フィルミーノ、マネ、ファン・ダイク…決定的なチャンスを沈めていれば、余裕をもって試合をコントロールできていたかもしれない。
フィルミーノは試合も早い段階で終わらせることができていたと感じていたのだろう。試合後、クロップからのハグに待ったをかけ、謝罪の言葉を口にしたという。試合後の会見でクロップが真相を語った。
「いつも通り、試合後に選手たちにハグしようとフィルミーノに向かっていくと、“ちょっと待って。まず話させてほしい”と言われた。続けて、“もっとゴールを決めておくべきだった。”と。そんなことを思ってなかったから、驚いたよ。」
「もしかすると、最初のチャンスで決めていれば楽になったかも。ただ、これまでも言ってきた通り、彼はスーパーなプレーヤーだ。こう表現するのが最後にならないといいね。ほんとに活躍は素晴らしかった。」
両チームで唯一の得点を奪い、中盤から試合を組み立て、ペナルティエリア内でもコンビネーションで局面を打開し、チャンスを作る。唯一無二のセンターフォワードがリバプールを思う気持ちは相当深い。またクロップとの良好な関係もうかがい知れるエピソードであった。