プレミアリーグを制覇したリバプールを支える「スリナム」の存在

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ファン・ダイクとワイナルドゥム チーム

「スリナム共和国」

普通に日本で暮らしていると、ほぼ耳にすることがないアフリカ大陸に位置する小国。ガイアナとギニアに挟まれ、首都はパラマリボ、通貨はスリナム・ドル。日本から旅行しようとすると丸1日(約26時間)が移動に潰れるほど、馴染みのない国と言える。

スリナムが慌ただしくなったのは、16世紀から。スペインが発見し占領したが、資源に恵まれていない国だったため、所有を放棄。イギリスとオランダが植民地にすべく侵略を開始。イギリスが所有権を奪取したものの、1667年ブレダ条約によりニューアムステルダム(現ニューヨーク)をオランダがイギリス側に譲渡し、交換にスリナムを植民地化した。

長らくオランダ支配が続き、1975年独立したが公用語はオランダ語のまま。オランダ語が母語のアフリカ唯一の国となっている。

「オランダ」を強調してみたが、リバプールとの繋がりが見えてこないだろうか。リバプールに所属するオランダ人と言えば、フィルジル・ファン・ダイク、ファン・デン・ベルフ、ジョルジニオ・ワイナルドゥム、キ=ヤナ・フーフェルの4名。うち、ファン・ダイクとワイナルドゥムのルーツがスリナムにある。

2人とも直接的にスリナム生まれといった事実はないが、家系にスリナムの血が流れている。(ファン・ダイクはブレダ出身、ワイナルドゥムはロッテルダム出身)

どちらも主力してクラブと代表で活躍しており、功績は数字だけでは計り知れない。オランダという共通点とスリナムという共通点。スリナムの血がどう作用しているかはわからないが、バランス感覚や超人的な体躯、無尽蔵なスタミナ….影響を受けていても不思議でない特徴は数多く見受けられる。

リバプールの歴史を振り返ると、最近ではライアン・バベルもスリナムの血を受け継いでいる。リバプールでは際立った成績が残せずチームを去ったわけだが、ベシクタシュで見事に息を吹き返し、今やオランダ代表に欠かせない選手になっている。

日本人であっても、ルーツは案外違う。好きな選手の背景にはどんな物語やルーツが潜んでいるのか?そんな見方でフットボールを楽しんでみるのも面白い。

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