フランスの新星キリアン・エムバペが2021年にパリ・サンジェルマン退団を検討しており、リバプールからのオファーを待っているという仰天の報道が届いた。フランス代表FWは今シーズン限りで、リーグ・アンを離れる意向を示しており、マンチェスター・ユナイテッドやレアル・マドリッドとともに、リバプールが移籍先の候補に取り上げられている。
モハメド・サラーが2017年にASローマから加入して以来、ロベルト・フィルミーノとサディオ・マネで形成するフロントスリーは世界的な攻撃ユニットとして、相手ディフェンダーから恐れられている。控えにもシェルダン・シャキリやディボク・オリギ、南野拓実らが在籍し、バックアップ体制も万全だ。
爆発的なスピードとドリブル、抜群の身体能力、高い決定力を有し、弱冠20歳でワールドカップ王者に輝いた神童は、同チームのネイマールにも負けずに劣らないスター性と能力で、昨シーズンのチャンピオンズリーグ準優勝にも貢献した。
ディオゴ・ジョッタをウルヴァーハンプトン・ワンダラーズから補強。昨年に加わったハーヴェイ・エリオットと、将来を担う有望株が集まりだしている。体幹にも優れ、センターフォワードにキリアン・エムバペという選択肢も面白そうだ。左にジョッタ、右にエリオット、真ん中がエムバペ…現在のフロントスリーに代わる、新しい強力な攻撃ユニットを形成できるはず。
一方で、懸念点がないわけではない。まずは移籍金。元々の契約解除金の高さに加えて、激化が予想される獲得レースによって、移籍金は法外な金額となる。若さに、マーケティング力もここに追加されるため、オーナーが潤沢な資金を持っていなければ、捻出が難しい。リバプールはクラブの利益でクラブ運営をしているため、高すぎる金額を支払う可能性は低い。
加えて、エムバペのプレースタイルが移籍を邪魔するだろう。守備に奔走するタイプではなく、ネイマールとともに守備タスクが軽減しているPSGと違い、リバプールでは攻守の切替が求められる。スタミナが豊富にあるタイプの選手ではなく、パスコースを切るディフェンスも強みとは言えない。クロップの指導で開花するかもしれないが、現時点ではクロップサッカーに適応する選手ではないと言わざるを得ない。
と、ここまであーだこーだ書いてきましたが、エムバペ移籍ニュースは定期的に報道されている。直近では、クラブユニフォームのサプライヤーがナイキに変わったタイミング。ナイキと個人契約を結ぶエムバペとの関連性から、リバプール移籍への布石と報じられた。
もちろん、将来は誰にもわからない。それに、リバプール首脳陣の考えもわからない。ただ、クラブの財政状況や運営方針、チームのサッカースタイルなど包括的に考えると、移籍はないだろう。今後なにかのタイミングで、エムバペのリバプール移籍が報じられるはずだが、ひとつのエンターテインメントとして楽しみたい。