ベルギー・ボルゲルハウト出身で、昨年9月に待望のベルギー代表デビューを飾ったジェレミー・ドク。3年前にもリバプールは獲得を打診しており、長い間ターゲットになっている。当時ユルゲン・クロップ監督とも対話したと言われ、リバプールの関心が相当のものである。

身体のバネを活かした攻撃センスに加えて、天性のスピードとドリブルで相手を切り裂く。ウイングをメインポジションにしており、まさにサディオ・マネの後継者に打ってつけである。デンマーク戦では代表フルデビューし、アイスランド戦では代表初ゴールを記録している。
アンデルレヒトのトップチームでシーズンを通して活躍した昨シーズン。ジェレミー・ドクにとっては飛躍の年となったシーズン終了後に、リバプールが再度獲得を試みた模様。移籍市場の期限直前に、具体的なオファーが提示したようだが、3年前同様に振られてしまった。
最終的には、2020年10月にリーグ・アンのスタッド・レンヌへと完全移籍。移籍金は2300万ポンド(約32.2億円)。新天地ではチャンピオンズリーグ出場含め、21試合に出場しており、2アシストを記録。ベルギーリーグ時代とは物足りないが、リーグのレベルが多少上がったことを考慮すると、まずまずの成績だろう。
リバプールからの関心を蹴ったベルギー代表FWだが、その当時を振り返り、拒否に至った背景の詳細を語っている。
「まずはたくさん調べた。すべてのメリットを書き記してから、自分の決断を下したんだ。」
「少しずつステップアップしたかった。トップクラブに行くには、早過ぎると思った。」
「もっといっぱい学ばないといけないし、レンヌは成長のために最適な場所だよ。」
「レンヌはチャンピオンズリーグへの出場を果たし、良いリーグに属している良いチーム。ベルギーとはレベルの違いを感じている。」
「より有名で、優れた選手が所属している。メンフィス・デパイやフセム・アワール、アンヘル・ディ・マリア…ベルギーリーグでは出会わない選手たちだね。」
過去数年間に渡るリバプールの関心を考えると、まだ獲得リストに名前が記載されているはず。年齢はまだ18歳と若く、フランスでの成長次第では、数年後にアンフィールドで躍動している姿が見られるかもしれない。
モハメド・サラーやサディオ・マネが2年後には30歳を迎えるだけに、ディオゴ・ジョッタ以外にも後継者候補を引き入れたいのが本音。ディボク・オリギやシェルダン・シャキリ、南野拓実がそれぞれ期待に応えているとは言い切れず、フロントスリーのバックアップ戦力の充実は直近の課題である。
ハーヴェイ・エリオットがローン先で大活躍を見せており、来シーズンはトップチームに定着することが予想される。しかし、アシストを得意するタイプの選手だけに、直接的にサラーやマネの代わりにはならず、試合運びの修正が必須。
その点、ジェレミー・ドクであれば、そのままウインガーポジションを埋められる。昨年夏に移籍しており、フランスで適応に苦労しているため、すぐの移籍は考えにくい。リーグ・アンを代表する選手となったその日、リバプールが三度目の正直を果たす時が訪れる…