2018年の夏、パルチザンからセリアAのフィオレンティーナに加入したセルビア代表FWドゥシャン・ヴラホヴィッチ。昨シーズンの後半戦から大ブレークを果たしたフォワードは、リーグ戦で37試合21ゴールと驚異的な数字を残した。
突如として現れたフィオレンティーナFWは、今夏の移籍市場で注目株となり、世界各国のビッグクラブがこぞって獲得を目指した。結果的には残留が決定すると、今季も得点感覚は衰えずにリーグ戦7試合4ゴールを奪っている。
恵まれた体躯でパワー勝負にも負けず、ダイナミックなプレーでここまで5位と好調を持続するクラブを引っ張っている。年齢が21歳とまだ若く、空中線でも力を発揮できる点取屋はどのチームにとっても喉から手が出るほど欲するプレーヤーだ。
2023年までの現行契約を延長すべく所属クラブと話し合いを行っていたが、先日には交渉決裂のニュースが世間を駆け巡った。半ば移籍を視野に入れた契約拒否は、近い将来のステップアップを示唆しており、獲得を目指すクラブ同士の争奪戦が一気に熱を帯びてきた。
リバプールも例外ではなく今夏に興味を示していたクラブと伝えられていた。『Tuttosport』によれば、ACミランやユベントスらのセリエA勢に加えて、アトレティコ・マドリードやトッテナム・ホットスパー、マンチェスター・シティらも狙う若きストライカー獲得に向けて、リバプールも動き出した。
6370万ポンド(約89億円)とも言われる多額の移籍金が必要なセルビア代表FWだが、フィオレンティーナは契約交渉が決裂したことで25%オフの値段、5096万ポンド(約71億円)でのオファーにも応じる構えを見せているようだ。
リバプールはドゥシャン・ヴラホヴィッチ以外にも数多くのフォワードとの関係が噂されてきた。フロントスリーの年齢が30歳前後を迎えており、世代交代は直近の課題。昨年に加入したディオゴ・ジョッタが即フィットし、ハーヴェイ・エリオットやカイデ・ゴードンら若手選手が覚醒しているが、即戦力候補を求めているのは周知の事実。
バックアップ組である南野拓実やディボク・オリギはレギュラーとしては信頼に足りず、アカデミー選手たちは経験値が少なすぎる。高さに欠けるフォワード陣だけに、セルビア代表FWは面白い選択肢をチームを授けてくれる。
なによりも驚異的な得点ペースは無視できない。モハメド・サラーやサディオ・マネが毎年コンスタントに得点をあげており、得点力あるフォワードが加わることに否定意見はでない。しかし、問題は移籍金の高騰ぶり。まだフルシーズンで結果を残していない選手に対して、リバプールが出すイメージは全く持てない。
可能性が出てくるとすれば、来年の夏にフリー退団を避けたい所属クラブが劇的に金額を下げた場合。ただし、競合が多く、高額な資金力を有するクラブも少なくなく、高額な移籍金でも喜んで支払い、移籍が成立する確率は非常に高い。つまりは、リバプールが入る隙間は限りなく小さい。
はたして、セルビアの次世代ストライカーは来シーズン、どこのクラブでプレーしているのだろうか…?