空中線で抜群の強さを発揮し、センターバック陣に長期離脱者が相次いだ昨シーズンを支えたリバプールDFナサニエル・フィリップス。今季もセンターバックの5番手として前半戦を過ごしたが、ジョエル・マティプやフィルジル・ファンダイクらの壁は厚く、ほとんど試合でのプレーはなかった。
この冬の移籍市場では、プレー時間を求めて、スコット・パーカー監督率いるボーンマスに半年間のレンタル移籍で加入。チャンピオンシップでは17試合に出場し、加入直後から主力としてコーチ陣から絶大なる信頼を得た。
前回の移籍市場でも完全移籍が噂されていたが、リバプールが求める移籍金を提示するクラブがなく、結局はローン移籍に落ち着いた。それでも、チャンピオンシップでの活躍に加えて、ボーンマスがプレミアリーグ昇格を果たすため、同リーグでプレー経験を持つナット・フィリップス獲得に動いている。
『The Mirror』によれば、リバプールは今夏での完全移籍による売却を検討していたが、2部リーグでの見事なパフォーマンスにより、同選手の扱いを再検討している模様だ。25歳のセンターバックを元カメルーン代表DFジョエル・マティプの後継者に据える考えを持っており、この夏はふたたびレンタル移籍になるかもしれない。
昨年の夏に新たな4年契約を結んだ元ボルトンDFは、2025年まで契約を残している。ガッツ溢れるプレーぶりに加えて、ボール扱いや前線へのパスも身につけ、高さや強さだけじゃない選手に成長中。今年8月に31歳を迎える元シャルケDFと同等のレベルにあるかは言い過ぎだが、貴重なバックアッパーになれるだけの実力を持つ。
個人的には、シュトゥットガルトへのレンタル移籍や都合の良い起用方法でチームを支え続けてきたナサニエル・フィリップスだけに、レギュラーとしてプレーでき、フルコミットできるクラブで活躍する姿を見たい。
必要な時だけ呼び出して、チームに帯同しても試合に出られない。25歳には苦しいサッカー人生を送ってきており、そろそろ解放しても良いだろう。プレミアリーグ昇格で、トップリーグを戦い抜けるだけの戦力を必要とするボーンマス移籍は双方にとっても理想的と言って過言ではないはずだ。
はたして、2020-21シーズンのヒーローは完全移籍を手に入れられるのか?はたまた、新たなシーズンもレンタルで過ごすのか?元ボルトンDFの去就やいかに…