リバプールでは世界でも屈指のフォワード陣に阻まれて、出場機会が限定的だった日本代表FW南野拓実。カラバオカップやFAカップでの大活躍も実らずに、昨シーズン終盤には、コロンビア代表FWルイス・ディアス加入も重なり、ベンチにすら入れない日々を過ごした。
契約満了に伴い退団したベルギー代表FWディボク・オリギ同様に、今夏での移籍が確実視されていた日本代表フォワードの新天地がついに決定。リーズやフラム、サウサンプトン、リヨンなど様々なクラブが関心を示す中、ASモナコが元セレッソ大阪FWの獲得に成功した。
新シーズンは初挑戦となるリーグ・アンで戦い、絶対的な王者パリ・サンジェルマンに挑むことになる。この冬にはカタールW杯が控えており、レギュラーとしてプレーできる可能性の高いクラブ移籍は当たり前の判断と言える。
RBザルツブルクから加入して以来、2年半過ごしたアンフィールドを離れる日本代表のエースに対して、リバプールを率いるユルゲン・クロップ監督は同選手のプロフェッショナリズムを称えつつも、人間性の素晴らしさにも触れ、最後には感謝の気持ちを述べている。
「“タキ” を見送るのはつらい。しかし、彼にとっては素晴らしい移籍であり、ふさわしい移籍だ。」
「見事なプロフェッショナルであり、スーパーで才能のある選手。人間的にも温厚で、みんなをポジティブな気持ちにさせてくれる。正直なところ、監督の夢だよ。」
「 “うまくいかなかった” と思う人がいるのは確か。ただ、そうした人々は間違っている。私はそれを受け入れない。」
「我々が与えることができた機会よりもはるかに上回る貢献度を示した。彼は試合だけでなく、トレーニングのすべてのセッションで、私たちをより良くしてくれた。完璧な姿勢で臨み、勝者のメンタリティーを備えている。」
「彼のパフォーマンスとゴールがあったからこそ、チャンピオンズ・ウォールを何度も塗り替えることができた。彼の功績は長く記憶にとどまるだろう。」
「彼はモナコで大成功を収めるだろう。そこで成長し、活躍する姿を、私たちは祝福と羨望のまなざしで見つめるはずさ。」
「彼は我々からの感謝とお祝いの気持ちとともに旅立っていくんだ。ありがとう、“タキ” 。」
LFC公式サイト
ASモナコでは、レギュラー争いに敗れたリバプールでの生活を覆し、毎週末のプレーを手に入れてもらいたい。しかし、前線のポジションは熾烈で、ケビン・フォラント（ドイツ代表）やウィサム・ベン・イェデル（フランス代表）、アレクサンドル・ゴロビン（ロシア代表）らとの競争が待ち受けており、まずはチーム内で実力を示さなければならない。
数少ないプレー時間でも、10ゴールを記録した高い決定力をきっちりと証明できれば、確実にスタメンの座を手中に収められるはず。フランスでの生活にも慣れないといけないが、南野拓実がオーストリアで見せたパフォーマンスを披露する日も近い…！？