モハメド・サラーやサディオ・マネ、ロベルト・フィルミーノ、ディオゴ・ジョッタ、ルイス・ディアスと世界でも屈指のフォワード陣を有するリバプールにおいて、日本代表FW南野拓実がレギュラーとしてプレーできる余地はなかった。
昨シーズンはカップ戦で大活躍し、シーズン通して二桁得点を記録したものの、今夏の移籍市場では放出候補筆頭。リーズやフラム、リヨンらが関心を寄せる中、ASモナコが争奪戦を制し、日本代表FWを獲得した。
かつてリーズ・ユナイテッドやコヴェントリー・シティ、ミドルズブラで活躍し、イングランドU-21代表経験もあるノエル・ウィーラン氏は、リバプールでの同選手のプレーを振り返り、RBザルツブルク時代のパフォーマンスを見せるに至らなかったと、売却も止むを得ないと持論を展開している。
「監督は選手とチームの様子を十分に見る時間があったから、どのポジションがもっと必要で、どのポジションであれば選手を売っても、何とかなるとわかっている。」
「南野拓実はずっと良い結果を残せると思っていた選手の一人だったが、チャンピオンズリーグでリバプールと対戦したときに感じたような “高み” に達することはなかった。」
「プレミアリーグという非常に難しいリーグに入った。カップ戦では片鱗を見せたが、プレミアリーグでは十分な出場時間はなく、インパクトを与えることができなかった。」
「クラブは彼(の売却)で利益を上げたし、彼に必要だったレギュラーでのサッカーを得るだろう。リバプールは、ダルウィン・ヌニェスや他の選手に費やしたお金の一部を補うための資金が銀行にできた。」
Football Insider
セネガル代表FWサディオ・マネがチームを去り、バイエルン・ミュンヘンで新たなチャレンジに挑む。その後釜には、大柄ながらもスピードもあるウルグアイ代表FWダルウィン・ヌニェスを補強。さらには、ウイングや攻撃的ミッドフィルダーもできる若手MFファビオ・カルヴァーリョやハーヴェイ・エリオットも控えており、さらなるプレー時間の減少もあった。
カタールW杯に向けて、クラブにとっても、選手にとっても必要な移籍であったことは誰の目にも疑いの余地はないだろう。獲得に費やした金額よりも、約2倍で売却できたことも、財政的には大成功と言える。
新たなクラブで再出発を図る南野拓実だが、レギュラー争いは決して楽なものではない。それでも、リバプールでトッププレーヤーとの練習で培ったプレーや精神力で、リーグ・アンではアンフィールドの鬱憤を晴らすようなゴール量産を期待したい…