アレックス・オックスレイド=チェンバレンやナビ・ケイタ、チアゴ・アルカンタラに加えて、ジョーダン・ヘンダーソンまで負傷者リストに追加されたニューカッスル戦後、リバプールの行動は早かった。
ユベントスで構想外となっていた元バルセロナMFアルトゥールにアプローチをかけ、移籍市場の最終日にリバプール移籍が成立。買取オプション付きローン移籍で、来年の6月までアンフィールドでプレーすることに。
しかし、それまで候補としてメディアを賑わしていたのは、いずれも運動量が豊富で、ピッチ全体を走り回れるタイプのミッドフィルダー。コンラート・ライマーやモイセス・カイセドらにもアプローチしたリバプールだが、移籍金が高すぎる、クラブが売却したくないなど様々な理由で交渉は頓挫。
来年には大本命イングランド代表MFジュード・ベリンガム争奪戦を控える中、高額な移籍金を投入できない。来シーズンまで繋げる役割として、レンタル料のみで給与も50%負担で済むユベントスMFは最適なオプションだった。
期日ギリギリに執り行われた今回の移籍劇は、名前が浮上すらしていなかったこと、そしてプレースタイルが獲得候補と違うことからも、多くのサポーターを驚かせた。南米の移籍市場に精通するティム・ヴィッカリー氏(イギリス人ジャーナリスト)もビックリした一人で、クロップ監督よりもグアルディオラ監督が好む選手であると想定外の移籍に驚きを隠せない。
「驚きと興味をそそられた。ベストな状態のリバプールはとても垂直で、執拗なほど縦に速い。アルトゥールはもっとポゼッション型のミッドフィルダーだ。」
「ユルゲン・クロップのようなタイプのMFというよりは、グアルディオラのようなタイプのMFと見ることができるだろう。彼が出世したとき、グレミオでは大きな期待がかけられていた。」
「バルセロナのミッドフィルダーとして常に認識されているし、そこからヨーロッパでの冒険が始まったんだ。それがすべて外れたわけではない。ブラジル人MFは、ヨーロッパのトップレベルのサッカーに適応するのが難しいと感じているようだ。ユベントスでも試合に出られていないしね。」
「 “ある選手 “がいる。重心が低くて、キープ力に優れている。まるで突き抜けたかのようで、誰も予想しなかった一人だ。」
Sky Sports
来シーズン以降もリバプールに残留する確率は低い。買取オプションが付随していると言えど、リバプールにとっては枚数確保が優先であり、今回の移籍市場でも本命だったとは言いづらい。資金をほぼ費やさず、チャンピオンズリーグでもプレーできるレベルとなると、苦肉の策だったのかもしれない。
それでも、チアゴ・アルカンタラのようなパスも出せるだけに、クロップ監督の指揮で化ける可能性も否定できない。はたして、アルトゥールは初めてとなるプレミアリーグでイタリア時代を払拭するパフォーマンスを披露できるのだろうか…?