リバプールが最後に即戦力のセンターバックを獲得したのは、イブラヒマ・コナテが加入した2021年夏。以降、ジョー・ゴメスとジャレル・クアンサーが出場機会を重ねて台頭してきたが、四冠を狙う今季のスカッドには、さらなる経験値と安定感をもたらす新たなDFの存在が欠かせない。
リバプールの補強戦略の鍵を握るのが、22歳の若手DFジャレル・クアンサーの去就。海外メディア『Sky Sports』によると、バイエル・レバークーゼンが同選手の獲得に向けた交渉を進めており、すでにクラブ間で活発なやり取りが行われているという。
さらに、ジョー・ゴメスにもプレミアリーグから複数クラブが関心を示しており、コナテは契約更新問題が燻っており、アルネ・スロット監督はセンターバック陣容の急激な刷新を強いられる可能性が生じてきた。
イギリスメディア『DaveOCKOP』によると、現時点で最も退団が濃厚なクアンサーの後任として、クリスタル・パレスに所属するイングランド代表DFマルク・グエイに熱視線を送っており、本格的なアプローチに踏み切る準備が整いつつあるようだ。
グエイは現在24歳で、チェルシー下部組織出身のセンターバック。2021年からプレーするクリスタル・パレスではキャプテンも務め、2025年5月にはFAカップ決勝でマンチェスター・シティを撃破し、クラブ史上初のタイトルをもたらした立役者でもある。
『StatBomb』のデータでは、非PKゴール(86%)、アシスト(83%)、シュート生成アクション(88%)、タックル(73%)、ブロック(82%)、成功ドリブル(80%)と、攻守両面で高いパフォーマンスを記録。3059分のプレータイムに裏打ちされたこの安定感こそ、リバプールが求める資質と一致している。
加えて、プレミアリーグでの実績に加え、ホームグロウン選手として登録枠を圧迫しない点もリバプールにとっては大きなアドバンテージとなる。
問題はチェルシーは買い戻しを検討しており、ニューカッスル・ユナイテッドは長期ターゲットとしてリストアップしているため、熾烈な競争を強いられること。さらにアーセナルも補強候補の一人として注目しており、争奪戦の様相を呈している。
昨年1月にはトッテナムが最大7000万ポンドのオファーを提示したものの、クリスタル・パレスはこれを拒否していた経緯がある。ただし、グエイの契約は2026年までであり、来夏にはフリー移籍の可能性も高まることから、今夏の売却はクラブにとって現実的な選択肢だ。
リバプールにとってこの補強は、レアル・マドリードが関心を寄せているイブラヒマ・コナテやジョー・ゴメスに代わり、またフィルジル・ファンダイクの年齢を考慮しても、中長的に最終ラインのリーダーシップを張れる選手としても期待ができる。
はたして、マージーサイドのクラブはこれまでも関心が噂されてきたクリスタル・パレスのセンターバックに本腰を入れ、獲得に乗り出すのだろうか…?