先日リバプールからローン移籍のハリー・ウィルソンも活躍するボーンマスのチャンピオンシップへの降格が決定した。エディ・ハウ率いるチームは、カラム・ウィルソンやナタン・アケなど実力者を有し、魅力的なサッカーを展開していた。だが、今シーズンは負傷者に悩み続け、100%を発揮できないまま、降格まで決まってしまった印象。
2014/15シーズンにプレミアリーグ昇格を決めて以来、5シーズンぶりにチャンピオンシップに参戦するボーンマスにも数多くの有望な選手が在籍している。すでにトップチームも触手を伸ばしている選手もおり、主力の放出はなむを得ない。
シェルダン・シャキリやアンディ・ロバートソンら降格クラブから獲得した実績も多いリバプールにとって、適切価格で有力な選手を獲得できるチャンス。この機会にボーンマスから獲得すべき3選手を見てみよう。
ロイド・ケリー
ノリッジのジャマール・ルイスと共に獲得が噂される選手で、身体的特徴は似ている。左で操るドリブルスキルは評価が高く、攻守共に優れたスプリント力を発揮し、相手のディフェンスを突破できる。今シーズンは負傷に苦しみ、37節終了時点で7試合のみの出場。センターバックでの起用も多いが、ブレイクしたブリストル・シティFCではレフトバックとして活躍した。
長年獲得が切望されているアンディ・ロバートソンの控え。世界屈指の左サイドバックの唯一の控えがジェームズ・ミルナーというのは心許ない。ネコ・ウィリアムズやジョー・ゴメスも対応できるが、最適なポジションとは言い難い。2年連続でフル稼働が続くスコットランド代表キャプテンに万が一の事態があった場合を考え、補強は必須だろう。
ブリストル・シティに所属していた頃からリバプールが注目していた逸材であり、能力は申し分ないだろう。懸念はケガでほぼ一年を棒に振っているため、プレミアリーグへ適応できていないこと。リーグ再開後は出場機会を得ているといえども、活躍までは少し時間が必要そうだ。
移籍金:800万ユーロ(約10.4億円)
ナタン・アケ
かねてからディフェンス能力と左足から繰り出されるパスセンスが高く評価されていたオランダ代表センターバック。代表戦ではフィルジル・ファンダイクの控えに甘んじているものの、集中力高くディフェンスラインをコントロールし、的確なシュートブロックで相手攻撃陣を押さえ込む。後方からの組み立てやボール扱いも巧みで、攻撃のスイッチを入れる役割すら担っている。
ロブレンの移籍がほど決まりかけている中、センターバック(CB)の獲得は急務だ。そして、できれば貴重な左CBを埋められる選手が欲しい。ジョー・ゴメスとジョエル・マティプともに右利きで右CBが適任。ファンダイクが左CBを担当しているが、控えに左利きがいれば心強い。
問題はマンチェスター・シティが獲得に迫っていること。すでに合意しているとも伝えられ、競争になれば移籍金が吊り上げられる要因にもなりかねない。それにファンダイクの控えということは、ほぼ出場機会を得られない可能性が高いのもデメリットだろう。一方で、オランダ出身選手が多いのは利点になる。ファンダイクをはじめ、ワイナルドゥム、キ=ヤナ・フーフェル、セップ・ファン・デン・ベルフらの存在は頼もしいだろう。
移籍金:2800万ユーロ(約36.4億円)
ジェフェルソン・レルマ
2年前にレバンテ(スペイン)からボーンマスに加入した守備的ミッドフィルダー(DMF)。以来主力として活躍し続け、今シーズンもプレミアリーグ30試合に出場。球際の激しさに特徴のある選手であり、タックルやインターセプトなどボール奪取は最大の強み。体の強さを活かしたプレースタイルで空中線を得意し、粘り強い守備で相手の攻撃を無効化する。
リバプールにとって、ファビーニョ以外の選択肢を持っておきたいところ。ジョーダン・ヘンダーソンも穴を埋めることはできるが、年齢を考慮すると、DMFが専門の選手を獲得する時期なのかもしれない。
気になる部分はカードの多さ。ポジション的に仕方ない場面もあるが、今期はイエローカード11枚に、レッドカード1枚とプレーの荒さが問題になるだろう。またパスでの攻撃の組み立ては改善の余地あり。ゴメスとファンダイクの間に降りて、ボールを捌く場面も多くなることから、後方からの構築や試合を読む力は向上必須だ。
移籍金:2000万ユーロ(約26億円)