一昨年、チャンピオンズリーグ準決勝でバルセロナに大逆転勝利を決めつけたゴールを奪い、決勝戦でもトッテナム相手に2ゴール目となる得点を決め、その年のゴールデンボーイとなったディボク・オリギ。昨シーズンも貴重なバックアップとしてフロントスリーの穴を埋めるために活躍。エバートン戦でロブレンのロングフィードから沈めたゴールは技術の高さを伺わせる。
25歳になったベルギー代表FWは複数のクラブから熱視線を向けられている。フェネルバフチェ(トルコ)が獲得レースの先頭を走っているとされ、交渉の場がすでに設けられているようだ。アストン・ビラやニューカッスル、ブライトン、フラムなどプレミア勢が後を追う展開。リーズも関心を示していたが、バレンシアからロドリゴを獲得しており、スカウティングを終了している。
最有力のフェネルバフチェはローン移籍での獲得を目論んでおり、他のクラブは完全移籍での獲得を狙っている模様。移籍金は1400万ポンド(約19.6億円)に設定されていると言われ、プレミアリーグのクラブにとっては無理な金額ではない。
他方、ローン移籍にも前向きなようで、貸出料に加えて来年の買取オプション行使を条件に放出を容認する構えだ。新型コロナやチアゴ獲得費用を捻出するためにも、ありえない話ではない。ウィンガーではシェルダン・シャキリにハーヴェイ・エリオット、アレックス・オックスレイド=チェンバレンが控えており、最悪の事態にジェームズ・ミルナーも控える。
とはいえ、リアン・ブリュースターの移籍報道も過熱しており、両者を同じ時期に放出することは考えにくい。つまりは、ブリュースターかオリギの選択がリバプールには迫られている。南野拓実もいるにはいるが、ウィンガーやセンターフォワードタイプではないため、純然たる代わりとは言い難い。
オリギ本人としても、ピークを迎えるキャリアを前にバックアップの立場を卒業したい気持ちはあるはずだ。近年ベルギー代表から遠ざかっており、来年にユーロを控えるこのタイミングでの移籍は、代表への切符を掴むキッカケとなり得る。ただし、タレントを揃えるベルギー代表だけに、召集を受けるにはレギュラーで数多くの試合に出場することが前提で、その上で結果を出さなければいけない。
リバプール、そしてオリギが今後1ヶ月間でどのような決断を下すかは誰にもわからない。それでも、クラブのために100%を尽くせる選手だけに、どこに行っても活躍できるはず。いや、活躍して欲しいが正しい。プレー判断のスピードや得点力が向上できれば、ベルギー代表でもセンターフォワードとして君臨できるかもしれない。