アーセナルにPK戦で敗れたコミュニティーシールド以来、出場機会に恵まれないリアン・ブリュースター。完全移籍に向けた動きが本格化してきており、クリスタル・パレスやシェフィールド・ユナイテッドが強い興味を示しており、具体的な交渉を行っているとされる。
カラバオカップ3回戦リンカーン・シティとの対戦が、移籍を目前に怪我などをさせない目的で出場が回避されたイングランドU21代表FWは、シェフィールドへの移籍を志願している模様で、クラブ間合意が急がれているものの、リバプールとの評価額に開きがあり、交渉は思うようには進んでいない。さらに、複数のクラブも触手を伸ばしており、移籍期限が迫る中で競争が激化しそうだ。
シェフィールドは一方で、1年間のローン移籍を打診したが、リバプールはその提案を突っぱねている。昨シーズンの後半戦をスウォンジー・シティで過ごした選手を、2年連続の短期間レンタルで放出させたくないためであり、完全移籍が最優先と捉えている。このあたりも、両クラブでの開きがある部分であり、交渉で話されている話題であろう。
資金が潤沢なクラブではないシェフィールドにとって、リバプールが要求する2000万ポンド(約28億円)は大金。怪我人がいるにせよ、前線の枚数が揃っているチーム事情の中で、エースとして迎え入れるわけではない選手に出せる金額ではないのも理解できる。よって、選手の獲得などによって追加される支払いや将来的な買い戻し、または次回売却時の移籍金における数十%の授与などが交渉に盛り込まれるはず。
クリス・ワイルダー監督はすでにユルゲン・クロップ監督は会談を設けたと明らかにしており、クラブ間に開きがあることを吐露している。
「監督として以上に、サッカークラブとしての決断をしなければいけない。」
選手にとっては、うちのクラブに来たいのか?
売る側のクラブにとっては、ほんとに放出したいのか?いくらでなら売却するか?
買う側のクラブにとっては、要求額を出す準備はできているか?
「このようなことは、起こり得る。私は(欲しい)選手を見極めており、交渉ではこれらのことを踏まえて、話し合いに当たらなければならない。」
新たなるゴールハンターとして期待しており、スウォンジーでゴールを量産した活躍から、今季はリバプールでフロントスリーに挑戦するものと思われた選手からこそ、個人的には移籍報道は悲しいところ。ただ、出場機会のないクラブでくすぶるよりも、レギュラーでプレーできる環境に移行するのは自然の摂理。とくに20歳の選手にとっては、経験がなによりも貴重な要因になる。
10月5日に締め切りを迎える夏の移籍市場までに移籍が実現するのか、進捗は随時追っていきたい。