プレミアリーグ開始早々、センセーショナルなサッカーを披露し、旋風を巻き起こしてるマルセロ・ビエルサ率いるリーズ・ユナイテッド。疲れ知らずに走り回るプレースタイルを基調に、ボールを持つ相手に襲いかかる。攻撃陣も全員攻撃で、右サイドバックのルーク・アイリングも積極的にゴールに迫るなど、嵐のような攻守を見せている。
体力が必要なサッカーをするだけに、選手層や走りきれる選手を集めることが必要不可欠。プレミアリーグを最後まで戦い抜く戦力を揃えるため、移籍市場が閉まるギリギリのこのタミングで、リーズはリバプール若手DFでヤセル・ラローチへのオファーを検討している。今夏の早い時期にリーズへの移籍が噂されていたラローチだが、ここまで実現には至っていなかった。
カップ戦などでトップチーム出場経験はあるものの、アンディ・ロバートソンはもとより、ジェームズ・ミルナーの牙城を崩せずに、今夏コスタス・・ツィミカスが左サイドバックの控えとして加入しており、カップ戦ですら出場機会を得ることが難しくなった。
アルジェリア出身フランスU19代表DFは、試合出場の数を多くするため、ローン移籍や完全移籍とわず移籍をほのめかしている。19歳ともなれば、トップチームで途中交代でも出場機会は得たい気持ちは理解でき、ウルヴァーハンプトン・ワンダラーズへと移籍したキ=ヤナ・フーフェルのように、移籍を視野に入れていてもおかしな話ではない。
リーズが移籍期限が迫る中、獲得に本腰を入れ、具体的なオファーを提示する準備をしているようだ。リバプールも契約期間が残り1年になったアルジェリアDFの放出には前向きであり、実際にオファーが届けば、交渉は順調に進む可能性は高いはずだ。
ビエルサ監督は、レフトバックを務める北アイルランド代表スチュアート・ダラスと競争できる新戦力を欲しており、スピードと卓越した攻撃センスを有するラローチは打ってつけの人材に思える。また、クラブの将来を担えるだけのポテンシャルも持ち合わせており、ビエルサの指揮下で大化けする可能性も秘めている。
加えて、バックアップ要員であるバリー・ダグラスのパフォーマンスに満足していない様子で、カラバオカップを除いて、プレミアリーグにおいて試合出場はおろかベンチ入りすらできていない。完全な戦力外扱いとなっており、放出の噂も絶えないため、選手層を維持するため、そしてアップグレードするために、最後の最後にラローチ獲得を目論んでいる。
このままリバプールに在籍しても、リザーブでの経験では物足りないはず。本人も移籍に前向きであり、クラブも放出を厭わないという状況で、移籍させてあげるのが優しさかもしれない。リバプールもただで放出よりも、多少なりとも移籍金を得た方が財務面も助けになる。そう考えると、リーズが正式オファーを出す前提で、移籍は既定路線と言えるだろう。