2020年10月16日…イングランド国内移籍市場(プレミアリーグクラブ同士の移籍除く)の最終日。かねてから移籍の噂があったハリー・ウィルソンがカーディフ・シティへ1年間のローン移籍が決定する一方、ハービー・ケインがバーンズリーへ完全移籍を果たしている。と、ここまで想定内の移籍話。ハーヴェイ・エリオットまでもがローン移籍をするとは、思ってもみなかった。
フラムでプレミアリーグ史上最年少デビューを果たし、ポテンシャルの高さを買われ、子供の頃からファンだったリバプールへの移籍を実現。U-18やU-23をメインとしながらも、昨シーズンはリーグ再開後は毎試合ベンチ入り。試合出場こそ限定的だったが、間近に世界レベルの選手たちのプレーを観戦し、経験値を積み重ねている。
今シーズンもカップ戦を中心に出場機会を得て、徐々に試合に出ていくと思われたイングランドU-17代表FWは1年間の武者修行を選択した。右ウイングを主戦場とするハーヴェイ・エリオットだが、同じポジションには絶対的エースであるモハメド・サラーが君臨。移籍が実現しなかったシェルダン・シャキリが残留し、ディオゴ・ジョッタも強力なライバルとなり、さらなる出場機会の減少が危ぶまれた。
昨シーズン11位で終えたブラックバーン・ローヴァーズが、今シーズンでのプレミアリーグ昇格を目指して、ポテンシャル抜群なハーヴェイ・エリオットを1年間のローン移籍で獲得した。トニー・モウブレイ率いるチームは、移籍最終日に活発な動きを見せ、エリオット含めた4選手の獲得合意に達した。バリー・ダグラス(リーズ・ユナイテッド)、トム・トリブル(ノリッジ・シティ)、エインズレー・ピアーズ(ミドルズブラ)らに続く、目玉の補強となった。
リバプールファンにとって、懐かしい選手…アカデミーに在籍経験があるスペイン人DFダニエル・アジャラが所属している。また、かつて期待の若手として騒がれ、トッテナム・ホットスパーズに所属した経験もあるドイツ人MFルイス・ホルトビーがプレーしており、プレミアリーグファンからしても、興味深い選手たちを擁している点は注目したい。
リバプールのことだから、出場機会が担保されていないローン移籍を認めるとは到底思えない。とはいえ、チーム内での競争に勝ち続ける必要があり、ハーヴェイ・エリオットには飛躍の1年としてほしい。来シーズンには、シェルダン・シャキリやディボク・オリギらの退団が囁かれており、ブラックバーンでの経験を生かすシーズンになることは間違いない。
ダービー・カウンティで躍動したハリー・ウィルソンやスウォンジー・シティで得点能力を開花させたリアン・ブリュースターのように、チャンピオンシップで能力を一段階高めてくれるはずだ。今季のチャンピオンシップからは、ますます目が離せない!