ディオゴ・ジョッタの加入により、攻撃陣での序列が下がってしまったベルギー代表FWディボク・オリギ。カップ戦を中心に出場しているが、今シーズンはプレミアリーグでの出場がない状態が続いており、ポルトガル代表FWディオゴ・ジョッタが交代選手の中では第一候補。ロベルト・フィルミーノに交代が必要なときには南野拓実がおり、出場機会が激減している。
一昨年のチャンピオンズリーグではシンデレラボーイ的な存在となり、ヨーロッパ制覇に大きく貢献した。準決勝バルセロナ戦において、トレント・アレクサンダー=アーノルドから意表をついたパスをうまく合わせたゴールは圧巻。リバプールファンにとっては、忘れない瞬間であった。続くトッテナムとの決勝戦でも追加点をあげ、輝きを放った。
今夏も移籍の噂が上がっていたが最終的に残留したディボク・オリギだが、来年1月に移籍市場がオープンになるタイミングでのローン移籍を模索しているようだ。報道によると、母国クラブ・ブルージュが獲得を前向きに検討しており、前線の枚数が過剰気味のリバプールから獲得できる、またとないチャンスだと捉えている。
2017/18シーズンにはヴォルフスブルクにローン移籍し、武者修行を経験。大きなインパクトこそ残せなかったものの、試合出場経験がその後の活躍に繋がったのは間違いないだろう。25歳と選手としてピークに差し掛かっているだけに、本人からすればプレー時間の確保は必須事項。リバプールでプレーし続けても、序列をひっくり返すのは難しいことからも、移籍が魅力的に映っているはずだ。
リアン・ブリュースターを今夏放出している上で、ディフェンス陣でケガ人続出で、緊急事態に陥っている影響を受け、クラブ側とすれば移籍を容認したくない気持ちに傾くことも考えられる。
左ウイングやセンターフォワードのポジションを務めることが多いディボク・オリギにおいて、リバプールサッカーにフィットしているとは言いにくい。プレー判断が遅い場面も散見され、アンディー・ロバートソンとの連携面でも心配が残る。長い脚を活かした独特なドリブルや恵まれた体躯は特徴的であるが、プレミアリーグ王者でスタメンを張るレベルではないのは確かである。
今冬では放出はないと、個人的には考えている。前線の枚数は揃っている一方で、ひとりでも長期離脱となると、一気に出番のチャンスが巡ってくる。長身のフォワードは他にはおらず、貴重なバックアップという立場で今シーズンを終え、来年の夏に完全移籍で放出が現実的な移籍ストーリーだろう。