ジョゼ・モウリーニョ体制2年目。セルヒオ・レギロンやマット・ドハーティ、ピエール・エミール・ホイビュルクなどモウリーニョ好みの強く安定感のある選手たちを獲得し、堅守速攻の守備を改善させた。前線がイングランド代表エースのハリー・ケインや韓国代表ソン・フンミンの縦への早さで、攻撃も大きく改善している印象だ。
昨日もウェスト・ブロムウィッチ・アルビオンとの対戦で、ケインやソン・フンミンの攻撃を封じられ、苦戦を強いられた中でエースのハリー・ケインのヘディングシュートで試合終盤に先制。苦しい試合展開で勝ち点3を手に入れた。混戦状態が激しいプレミアリーグにおいて、現時点でレスターに次いで2位に位置しており、好成績を残す可能性が高い「モウリーニョ2年目のジンクス」が実現されるかもしれない。
抜群の得点力で8試合時点で7ゴールを決め、名実共にエースとして最前線に君臨。今シーズンは中盤まで下がり、攻撃の組み立てに参加し、高いパスセンスを披露している。とくにソン・フンミンとのコンビネーションは非常に脅威であり、ハマった時には手が付けられない。
ここ数シーズンでトップ6を形成する一員まで成長したトッテナム・ホットスパー。マウリシオ・ポチェッティーノ前監督の功績は言わずもがな。ポチェッティーノ政権下で活躍してクリスティアン・エリクセンが移籍し、デレ・アリが不調から立ち上がれず…
それでも堅実さをチームに植え付け、内容はともなく、最終的に試合に勝てるチームに変わろうとしているクラブに、キャプテンでもあるハリー・ケインはタイトルに挑戦できると、ライバルチームに警告を発している。
「僕たちのチームの能力を見極めると、タイトル獲得には十分な戦力が整っていると言わざるを得ないだろう。過去4〜5シーズンは近いところまで行っていたけど、最終的には手が届かなかった。」
「たとえ、いくつかの試合に勝利できる優れたチームを作ったとしても、タイトルチャレンジは困難を極める。」
「今シーズンは、昨季のリバプールのように、特定のクラブが独走する展開にはならないだろう。だからこそ他のチームにとって、みんなで力を合わせて、リーグテーブルを駆け上がるチャンスが巡ってくる。」
「堅実なサッカーを展開しているし、試合にもしっかりと勝っているのだから、僕たちは自分たちのミスで脱落しないようにしないといけない。」
「過去2試合(バーンリー戦とブライトン戦)は自信になったね。結果だけではなく、自分たちの味を出し切って、勝負に徹底できた。今のチームに、まさに必要な試合だった。」
「試合終了まで10分で1点差…何度か直面した局面で、そのまま試合を終わらせる必要がある。シーズン序盤にはうまく出来ていなかったことだね。」
「それ(試合に勝ち切ること)は嬉しいけど、まだ先は長い。来年2月や3月時点でどの順位にいるか、そこから追い込みをかけたい。」
今季プレミアリーグで19得点挙げているトッテナムだが、その実に79%に関与しているハリー・ケイン。自身はワンマンチームであることを否定しているが、その存在感は圧倒的であり、最後の最後に頼れるのは、ケインしかいない。
ただ、ここ数シーズン負傷で戦線を離脱する時期も多い選手だけに、仮に負傷やコロナ感染などで試合に出れない状態が続いた場合に、トッテナムがどうなるかは未知数である。主張の通り、タイトル獲得のためには、まずエースのコンディション調整がクラブにとっても、本人にとっても最優先課題になりそうだ。