2015年リバプールアカデミーに加入して以来、カップ戦を中心にトップチームで出場機会を得てきたアイルランドU-21代表GKクィービーン・ケレハー。絶対的守護神アリソン・ベッカーが君臨し、ミスは多いが経験豊富なアドリアンがセカンドGKとして控える。そのため、カップ戦以外では出番がない日々が続いている。
そんなケレハーだが、今年の夏にオランダへの期限付き移籍が迫っていたようだ。21歳となり、成長にはトップチームでの試合出場が必須の年齢であることからも、本人は前向きだったと推測できる。しかし、アリソンの負傷により状況は一変する。アドリアンの控えとして残留し、ベンチに座ることとなる。
アイルランド代表ステファン・ケニー監督は、今夏のリバプールの判断に疑問を呈し、代表でも期待の若手GKに試合経験を積ませたい気持ちを吐露。エールディヴィジへのローン移籍がクィービーン・ケレハーに必要であると発言している。
「クィービーン・ケレハーはもっと試合経験を積むべきで、フル代表デビューの準備も出来ていると感じているよ。」
「彼はオランダへ期限付きで移籍する予定で、複数のクラブが獲得に興味を示していた。ただ、リバプールの第1GKが負傷してしまい、移籍は頓挫した。」
「本人もローン移籍に前向きだったし、プレーしたがっていた。アイルランド代表としても、その恩恵を受けられていただろうね。クラブワールドチャンピオンであるリバプールで出場機会を得るのは、非常に困難だ。」
「ケレハーはアイルランド代表でプレーできるレベルにはあるが、試合に出ていないのが問題だ。ローン移籍からは大きなメリットを得れたと思うけど、リバプールでプレーするのはほんとに難しいだろう。」
ここまでトップチームで4試合に出場しているケレハーだが、プレミアリーグでの出場はない。世界でもトップクラスのGKアリソンの牙城を崩すのは容易ではない。第2GKアドリアンとの契約は来年夏に切れるものの、別に経験のあるGKを獲得する可能性は否定できない。
さらに、ブラジルから優秀な若手GKマルセロ・ピタルーガも加わり、守護神のポジションにおける競争は激化する一方である。カップ戦の出場でも圧倒的なパフォーマンスを披露するに至っておらず、早ければ今年の冬でのローン移籍が実現するだろう。
足下の技術やポジショニングなど至らない点も多いため、オランダであれ、出場機会を定期的に得られるクラブへの移籍が、本人の成長にとって必要不可欠である。経験値を積んで、いつの日かアイルランドNo.1GKになる日が来るのか…成長を見守っていきたい。