1990年代後半に突如として現れた「ワンダーボーイ」ことマイケル・オーウェン。10代ながらリバプールで得点を量産すると、イングランド代表でも活躍。その後レアル・マドリードへの移籍でキャリアは下降線を辿り、ニューカッスルやマンチェスター・ユナイテッドなどでのプレーを経験し、現役生活に終わりを告げた。
引退後はサッカー解説者としても第2の人生を歩んでいるマイケル・オーウェンだが、14試合9得点と大暴れしているポルトガル代表FWディオゴ・ジョッタの活躍を称え、ロベルト・フィルミーノに物凄いプレッシャーがかかっていると明言している。
「誰にも今後のジョッタの成長ぶりが予測できない。彼への期待は計り知れない。ほんとに驚かされたし、ウルブズでプレーしていた頃から好きな選手だった。突如としてすべてが変わり、リバプールでプレーするために生まれてきたのではないか?と思わせるほどだよ。」
「思っていたよりも動きが鋭い。技術的に高いレベルを持ち、走るタイミングや周りとの連携にも優れていると理解していた。(センターフォワードやウイング)これらのポジションにも順応できることを示したね。」
「ジョッタは(前線のポジションに)シームレスに適応した。クラブは彼を先発させるべきだ!もし明日がチャンピオンズリーグ決勝だとしたら、ベンチに置いておくなんて考えられない。」
今年の夏にリバプールへと加入したジョッタは、短期間でチームに馴染み、夏に加入したばかりとは思えない連携を披露。豊富な運動量でのプレッシングに加えて、巧みなドリブルを武器に、フロントスリーに割って入る勢いだ。ディボク・オリギやシェルダン・シャキリ、南野拓実とフロントスリーの控え探しが難航していたクラブとって、最高の補強となった。
オーウェンの主張通り、フロントスリー(ロベルト・フィルミーノ、モハメド・サラー、サディオ・マネ)とも見事に連携し、戦術理解度も高い。そしてなにより、前線のポジションすべてを担当できる柔軟性は評価に値する。フィルミーノらが30歳に近づいており、将来に爆発的成長がないだけに、彼らにとって代わり、ディオゴ・ジョッタがスタメンとして君臨する時期も近いはず。
一方、ディボク・オリギやシェルダン・シャキリらには退団のニュースに事欠かない。今冬にも完全移籍でリバプールを離れるのではと囁かれる中で、実力を証明していかないといけない。間も無く入団してから1年が経つ南野拓実も、そろそろ活躍を見せないといけない時期に突入している。
破壊力抜群の前線3枚が年齢を重ね、パフォーマンスを維持できなくなった場合には、ディオゴ・ジョッタが一角を担う姿が容易に想像できる。チーム内で競争を勝ち抜き、シーズン20得点を目指して、今後の活躍にも期待していきたい。