今週末にビッグマッチが待っている。勝ち点差3ポイントを付けて首位に立つマンチェスター・ユナイテッドは、昨年のプレミアリーグ王者リバプールとの対戦に挑む。アンフィールドで行われる一戦であり、調子に乗りに乗っているレッド・デビルズと、調子を崩しているレッズとの頂上決戦だ。
2017年にクリスタル・パレスに敗れて以来、リーグ戦ではアンフィールドで負けを経験していないリバプールに地の利がある。同じくクリスタル・パレスに快勝してから、プレミアリーグでは苦しい戦いが続いており、直近3試合でわずか勝ち点2ポイントしか獲得できていない。調子を取り戻すためにも、長年のライバルを叩きたい。
マンチェスター・ユナイテッドはシーズン序盤こそ苦労したものの、判定にも助けられ、徐々に調子を上げている。いまや絶好調で、2013年にサー・アレックス・ファーガソンが退任して以来、遠ざかっていたプレミアリーグ首位に座っている。首位決戦を制し、さらに勝ち点差を広げたい考えだろう。
ブルーノ・フェルナンデスの加入で生まれ変わったマンチェスター・U。そんなポルトガル代表と比較し、心身ともに安定しているときには同等レベルの貢献を見せるのが、フランス代表MFポール・ポグバ。世界的な選手でありつつも、好不調の波の激しさに悩まされるポグバが、リバプールとの対戦を前に、両チームの実力差について言及している。
「僕たちは多くの面で進歩してきたし、いまも向上し続けている。でも、まだまだ若いチームだ。」
「リバプールと同じレベルにいないのは明白だ。彼らはプレミアリーグを制覇し、さらに勝ち続けている。だから彼らに勝つことができれば、同じレベルに立ったことを証明する日になるだろうね。」
「ベストになりたければ、ベストを倒すほかない。僕たちはプレミアリーグ王者を倒したいんだ。」
「過去数年間、彼らは素晴らしいプレーを続けてきた。持っているクオリティーやプレースタイルも理解している。毎回タフな戦いになるね。
「どれほど困難かも分かっている。とにかく集中し、最高のプレーを披露し続けないといけない。」
「試合中に集中し続けられれば、勝つこともできると思ってる。とはいえ、彼らの実力には達していいないし、追いつくにはだいぶ先が長いよ。」
冷静にかつ謙虚な姿勢でインタビューに応えたフランス代表MFは、自身のクラブとリバプールとの間には大きな実力差があることを明言した。その上で、週末の試合で勝利を手に入れられるチャンスがあることも示唆している。
オーレ・グンナー・スールシャール監督就任以降、ポール・ポグバ同様に好不調の波に悩まされ続けるマンチェスター・ユナイテッド。それでも、潤沢な資金力で有名選手を多く補強していく中で、ピースが整ってきたようにも思える。ここで一気に波に乗れるか…底力が試される。
一方で、だいぶ先にいると表現されたリバプールだが、主力選手の長期離脱などもあり、苦しいシーズンを過ごしている。若手の台頭などにも助けられ、ここまではなんとか凌いできた。それでも、シーズンが進むにつれ、残された主力組への負担が顕著になり、疲労の色が隠せない。
ここ数試合あまり動きの良くないモハメド・サラー。また、ゴール前に人数をかけられ、崩しきれない試合が続くリバプールにとっても、大きな転換を迎える試合になりそうだ。この試合で、どんな試合内容であれ、勝ちを手にすることができれば、自信に繋がる。
2月にはディオゴ・ジョッタの復帰も控えており、アストン・ビラとのFAカップでは2アシストを記録したシェルダン・シャキリなど中堅選手の奮起が、シーズン後半戦には欠かせなくなりそう。少しずつコンディションを取り戻しているアレックス・オックスレイド=チェンバレンと、魔術師チアゴ・アルカンタラ…この2人の活躍が、2年連続優勝に向けた狼煙を上げると期待している。