リバプールのスリートップは破壊力抜群だ。サディオ・マネ、ロベルト・フィルミーノ、モハメド・サラーの3選手で形成する”フロントスリー”は、相手ディフェンスを恐怖に陥れる。特にマネとサラーはプレミアリーグ得点王にも輝くほど、凄まじい活躍を見せている。
30年ぶりとなったプレミアリーグタイトルにも多大な貢献をした2選手と比較されがちなのが、ブラジル代表FWロベルト・フィルミーノ。2名に比べると、ゴール数は圧倒的に少ない。スピードを生かした高速カウンターアタックや驚異の得点力…試合中もサラーやマネの方が格段に印象的に映るかもしれない。
しかし、フィルミーノがいなければ、両選手とも機能しないと断言できる。前線の真ん中で、屈強なセンターバック陣とフィジカルバトルを繰り返しながらも、攻撃を組み立てる。時には、中盤まで下がり、パスを捌きつつも、サラーとマネが中央に飛び込むスペースを与える。ファーストプレスとしての役割も担っており、守備時にも重要なピースである。
批判される最大の原因は、フォワードにも関わらず、得点数が少ないこと。目に見える数字が先行するのは致し方ない部分もあり、ストライカーである以上はゴールを期待したい。それでも、フィルミーノ・ロールと表現される陰の仕事人であり、流動的なポジショニングでチームを助け続けている。
そんなフィルミーノの重要性を強調するのは、サラーとともにエースの座を争うセネガル代表FWサディオ・マネ。今シーズンも23試合7ゴール4アシストを記録しており、負傷者が続出するチームを支えている。肉体的疲れか、精神的疲れか…いつもよりキレが落ちている印象を受けるものの、主力級の活躍を見せている。
リバプール在籍期間では、計203試合に出場。92ゴール39アシストを決めており、絶対的な選手である。攻撃だけではなく、守備時には深くまで戻り、主に左サイドバックのアンディ・ロバートソンの守備負担を軽減している。カウンターアタックでの加速力は群を抜き、足が伸びているような錯覚を抱くほどのアジリティで、ドリブルにシュートにとトップレベルの能力を持っている。
ナビ・ケイタの良き友人であり、兄的存在である。セネガル代表でもキャプテンを務め、人間性も高く評価されるサディオ・マネだが、ブラジルメディアに対して、同国代表FWを手放しで絶賛した。
「彼(フィルミーノ)は僕やサラーよりも、もっと称賛されるべきだよ。」
「常にゴールへの機会を伺っている。正直なところ、ボビー(フィルミーノの愛称)がいないと、僕もサラーも、これほど多くのゴールは決められなかったと思う。彼はすべてを簡単にしてくれる。」
「フィルミーノがいて、ブラジルはラッキーだ。いつもボビーには国籍を変えて、セネガルに来てくれ!と懇願していて、叶ったら夢のようだよ。」
「ほんとに好きなんだ。チームメイトとして、お気に入りのチームメイトであり、純粋に好きだよ!」
サディオ・マネの愛情がわかる発言の中に、関係性の良さが垣間見れる。ともにプレーしているからこそ、数字じゃない凄さに触れており、体感的にフィルミーノの能力を感じているのだろう。今後も最高のリレーションシップから、数多くのゴールを決めてくれる…期待しかない!