フランス代表で、FIFAワールドカップ2018優勝にも大きく貢献したレアル・マドリードDFラファエル・ヴァラン。2011年にRCランスから加入して以来成長を続け、現在では絶対的な主力としての地位を確立している。走力にも優れ、足元の技術も高い現代的なセンターバックの代表のひとりだが、センターバックに災難が続くリバプールが獲得を狙ってると噂されている。
チームのキャプテンであり、センターバックコンビを組む絶対的な存在セルヒオ・ラモスの契約が今シーズン限りで、退団濃厚とも言われる中、レアル・マドリードは是が非でもフランス代表DFを手放したくない。
ただし、ラファエル・ヴァランとの契約延長の交渉も順調には進んでいない。来シーズン終了後に契約満了となり、2022年1月からは他のクラブと自由に交渉できるようになってしまう。契約延長が最優先だが、今夏での放出の可能性も探っているようだ。
プレミアリーグのライバルであるマンチェスター・ユナイテッドも獲得を模索しているフランス代表DFには、7000万ポンド(約98億円)にも上る市場価値を得ている。他にも、母国フランスのPSGも興味を示していると言われており、三つ巴の獲得レースが展開される可能性がある。
しかし、現時点でリバプールが動く確率は限りなく少ない。新型コロナのパンデミックによって、財政面で大打撃を被っているリバプールであり、オーナーが潤沢資金を投入してくれるわけでもないため、7000万ポンドを支払う余裕はない。分割など一括以外の支払い方法もあるにはあるが、あまりに総額が高すぎる。
さらには、オランダ代表であり、センターバック陣のリーダーであるフィルジル・ファンダイクが来シーズンは戻ってくる。パートナーを組むイングランド代表ジョー・ゴメスも復帰し、ジョエル・マティプもそのひとり。ファンダイクがいる以上は、センターバックに多額の投資はイメージできない。
加えて、ヴァラン本人もスタメンが確証されていないクラブへの移籍は望まないはずだ。レアル・マドリードではスタメンを確保しているだけに、あえてリスクをおかして、はじめてのリーグへのチャレンジは考えにくい。
とはいえ、すべては契約延長に向けた話し合い次第。今夏までに延長交渉がまとまらなかった場合、フリーでの移籍を避けるためにも、移籍金額が下がる可能性も否定できない。そこにリバプールが参入するチャンスが生まれる。それでも移籍金は高額になるため、ジョエル・マティプを売却し、ジョー・ゴメスとポジションを争わせるくらいの気概がない限りは具体的な行動には移れない。
仮に、2022年1月までに交渉がまとまっていない場合は、獲得に向けて動く可能性が大いに高まるだろう。無料で、あのレベルの選手を獲得できるのである。無論、そうなった時には、ビッククラブがこぞって獲得に乗り出すため、いかに高給を提示できるかが鍵になり、リバプールは弱い立場を余儀なくされるのだが…
ヴァラン獲得はあくまで噂として楽しむのが良い。センターバック問題の解決策で最も効率的なのは、オザン・カバクが期待以上の活躍を見せ、買取オプションを行使すること。安価で獲得でき、まだ20歳であるため、将来も安泰になる。カバクがダメでも、これまで通りブライトンDFベン・ホワイトあたりがよほど現実路線であり、個人的にはヴァランよりも好ましい選択肢だと思う。
果たして、今夏にも向けたリバプールのスカウティングチームはどのような動きをしているのだろうか?今夏の移籍市場が待ち望まれる…