今シーズンは負傷者が続出しているリバプールにおいて、怪我なくチームを支え続けているオランダ代表MFジョルジニオ・ワイナルドゥム。契約延長交渉に進捗は見られず、今夏での退団が有力視されており、プレミアリーグ王者は代わりとなる選手を補強しなければいけない。さらには、ジョーダン・ヘンダーソンの年齢も考えると、ファビーニョの控えの獲得し、チームの底上げが必須。
イヴ・ビスマやレナト・サンチェスら候補者には事欠かないが、今回の報道では、リバプールがノルウェー代表MFサンデル・ベルゲ獲得を目指しているようだ。シェフィールド・ユナイテッド加入前にも、アンフィールドへの移籍が大きく報道されており、スカウティングチームは継続的に成長を見守っていた。
プレミアリーグでは現時点で27試合に出場し、2ゴール2アシストを記録しており、初めてのプレミアリーグにも見事に適応している。今季はチームの不調に加えて、リーグ13節マンチェスター・ユナイテッド戦で脚を負傷し、手術のために長期離脱が確定。以降は試合出場が叶っておらず、戻ってこれたとしてもシーズン最終盤になりそう。
先日には功労者であるクリス・ワイルダー監督を解任し、直後の試合ではレスター・シティ相手に何もできなかったシェフィールド・ユナイテッド。残留圏には勝ち点14差ほど空いており、ここからの逆転はほぼ難しく、チャンピオンシップへの降格が濃厚だ。得点力に悩み続けたクラブは、来シーズンには再出発を切りたいと願っているだろう。
ハル・シティから獲得したアンディ・ロバートソンやストーク・シティから獲得したシェルダン・シャキリ。両選手の共通点は、ともに降格したクラブから格安で獲得した選手であり、目利きのリバプールにとってはお得意の補強手法。財政悪化が叫ばれる昨今、サンデル・ベルゲも同様の方法で、割安価格での獲得を目指している。
選手本人もアンフィールドでのプレーを夢見ていると公言しており、移籍には障害はない。移籍金の交渉さえまとまれば、加入はスムーズに進むだろう。手術の回復具合は気がかりではあるが、 アンカーでも、インサイド・ハーフでもプレー可能であり、守備にも強みを持つ選手だけに、良い補強であることに間違いはない。
1.95mの高身長に加え、強靭な肉体を有しており、重厚感あるドリブルで相手ディフェンスに突っ込んでいく。空中線でも強さを発揮でき、インターセプト能力など相手の攻撃を止める術も熟知しており、ワイナルドゥム退団に伴う中盤での守備力低下を補う目的では、非常に有益な能力を持った選手と言える。
プレミアリーグでも数多くの試合に出場しており、リーグを理解している点は大きい。一方で、ワイナルドゥムと異なるのは、攻撃面。貴重なゴールを決めることも多く、前線への攻撃参加も頻繁に行うオランダ代表MFとは違い、ベルゲはより守備的な思考を持つ選手。よって、ボックストゥボックス的な役割をこなせるか、そしてアシストなどでチームに貢献できるかが加入した場合の課題であろう。
ワイナルドゥムが退団する前提で話を進めてしまったが、残留してくれれば何より。それでも、退団してしまう場合には、サンデル・ベルゲは面白い選択肢になりそうだ。元ニューカッスルMFの直接な代わりにもなり、ファビーニョやジョーダン・ヘンダーソンの負担軽減という意味でも機能する。
すべてが動き出すのは、降格決定後。ノルウェー代表MFはどのような道を選択し、新天地をどこに求めるのだろうか?負傷離脱中のため、試合では観られないが、移籍動向には注目していきたい…