リヨン生まれで、オリンピック・リヨンのアカデミーで成長を遂げたフランス代表MFフセム・アワール。卓越した技術から攻撃を組み立てつつも、自らペナルティエリアに入り込んでゴールも奪える。タレント揃いのフランスにおいて、着実にトッププレーヤーへの道を駆け上がる若きMFには、リバプールをはじめ、数多くのトップクラブがスカウトを派遣し、成長や移籍の動向を調査している。
『TuttoSport』によれば、アワール獲得レースにユベントスが参戦を果たし、4000万ユーロ(約52億円)を準備している。約10年間に渡りセリエAを支配してきたイタリア王者だが、今季は新監督に就任したアンドレア・ピルロの下で、ミラノ勢に遅れを取っている。前半戦はACミランの勢いに付いていけず、後半戦はインテル・ミラノの独走状態を止めきれずに、現時点で3位に甘んじている。
このままでは連覇が途切れることになり、エースであるクリスティアーノ・ロナウドには移籍の噂が絶えず、ロナウド依存に苦しむ攻撃陣の再構築が必須。アルトゥール加入で、中盤の底からパスを組み立てられるため、ペナルティ近くで攻撃を操れるテクニシャンに白羽の矢が立った。アーロン・ラムジーやアドリアン・ラビオ、フェデリコ・キエーザらと違う特徴を持つ選手だけに、現在とは違うアクセントを加えられる。
一方で、リバプールは退団の可能性が限りなく高まっているオランダ代表MFジョルジニオ・ワイナルドゥムの後釜に中盤の補強を狙っている。アワールに限らず、イヴ・ビスマやレナト・サンチェスなど数多くの選手が獲得候補として、連日メディアで報道され続けている。
リバプールがどのポジションに多くの資金を注入するかは未知数。ジョー・ゴメスと競えるセンターバック、ワイナルドゥムの代わり、フロントスリーのバックアップ…様々なポジションが補強ポイントとなっており、約52億円を超えるような選手を易々と獲得はできない。
また、オランダ代表と特徴の違いも多い。守備でも強さを発揮でき、無尽蔵のスタミナでピッチ全体をカバーできるワイナルドゥムとは異なり、より前線で力を発揮できるタイプのアワール。カーティス・ジョーンズが急成長を遂げており、昨年にはチアゴ・アルカンラタを獲得しており、ナビ・ケイタらも在籍しており、攻撃的なミッドフィルダーにお金を費やすかは不透明に思える。
中盤を強化するにしても、もっと守備にも貢献でき、ゲーゲンプレスを体現できるようなプレーヤーに狙いを定めるはずであり、フランス代表MFが獲得リストに記載されているかは、個人的にはいささか疑問。それでも、ポテンシャル抜群な選手だけに、サディオ・マネ、ロベルト・フィルミーノ、モハメド・サラーら前線3枚との化学反応も見てみたい。
スペイン代表MFチアゴ・アルカンタラに続き、2年連続で攻撃的ミッドフィルダー獲得なるか?…リバプールの補強プランにも着目しながら、動向を追っていきたい…