1997年にクルー・アレクサンドラFCからリバプールに加入し、約5年に渡り右サイドのミッドフィルダーとして活躍したダニー・マーフィー。その後、チャールトンやトッテナム・ホットスパー、フラムなどプレミアリーグを舞台にいぶし銀の活躍を見せ続けた元イングランド代表MFであり、引退した現在はサッカー解説者に転身し、歯に衣着せぬコメントで人気を集めている。
日本時間4月10日に行われた古巣リバプール対アストン・ビラ戦。前節はアウェイで7得点を奪われ大敗していただけに、雪辱をはたすのに重要な試合に位置付けられていた。序盤はホームチームが攻め立てる展開が続くものの、ゴールを奪いきれない。そんな中で、好調を維持するアストン・ビラFWオリー・ワトキンスに先制点を決められてしまう。
前半終盤には、トレント・アレクサンダー=アーノルドがインタセプトから前線にパスを供給すると、ディオゴ・ジョッタがキープし、アンディ・ロバートソンがシュートを放つ。ボールはロベルト・フィルミーノの足元にこぼれ、うまくミートしなかったが功を奏し、前半戦終了ギリギリで同点弾を奪った…かに見えた。しかし、VARの結果、最初にボールを受けたジョッタがオフサイドで、ゴールは取り消しになった。
それでも、疑念は消えない。ジョッタの袖がオフサイドポジションという全く明確なものではなく、どこで線を引くか、はたまたボールを蹴り出すタイミングをどこで止めるかで多少の変化が生じるため、批判が相次いでいる。同じような事象は今季プレミアリーグで続いており、来季への大きな改善が求められる。
ダニー・マーフィーも発言しており、テクノロジーがうまく活用されていないとし、完璧を求めるのはバカバカしいと、プレミアリーグ審判団に対して共通認識を持つように促している。
「ディオゴ・ジョッタの袖オフサイドにより、リバプールのゴールが取り消されたのは、テクノロジーがいかにうまく利用されていないことを証明してしまっている。」
「ほとんどのVAR問題はオフサイド判定に関連しており、すベてのチームが間違った判定により歓喜のゴールシーンが奪われてしまっている。」
「VARを継続させたいなら、最低限の共通認識を持つべきだ。攻撃選手と守備者のつま先にオフサイドラインを引いた方が良いだろう。」
「完璧を追い求めるのは、馬鹿げている。ストライカーの脇や肩がどこにポジションしているかなんて、誰も気にしていなかった。」
「サッカーでは、足がオフサイド取り消しの基準になるべき。他のことを気にするべきではない。」
誰も得しない微妙な線引きは、今後廃止されるべきだろう。まして、テクノロジーがそこまで正確な線引きができず、映像も蹴った瞬間を収めることができない現時点では、その辺はラフに考えるのが健全。来シーズンに変更が加えられるかは分からないが、プレミアリーグのクラブやサポーターたちが改善へ声をあげている現実を虫はできないはず。
来季は適切なオフサイド判定および最適な技術利用がなされることを願ってやまない…