幼少期からリバプールのアカデミーで育ち、昨シーズンの後半戦はほとんど試合でベンチ入りし、飛躍の年を迎えた。トレント・アレクサンダー=アーノルドのバックアップとして、またジョー・ゴメスをセンターバックに固定するためにも、活躍が期待されている。しかし、今季はセンターバックペアが入れ替わる状況にも影響を受け、低調なパフォーマンスに終始。マナーの悪い、過激な非難を投稿する人びとがいるほど。
思いの外パフォーマンスレベルが向上しないウェールズ代表DFだが、昨シーズンから右サイドバックの2番手として起用され続けており、高いポテンシャルはクラブ首脳陣から評価されていると言える。簡単なミスから失点シーンに絡むなど、批判に晒される機会も多いシーズンにおいて、ユルゲン・クロップ監督のサポートが欠かせない要因になっていた。
ブライトン戦やフラム戦などプレー強度が芳しくない場面でも、クロップ監督が常に背中を押してくれるとし、改善すべきポイントについても、包み隠さずに伝えてくれるようだ。
「クロップ監督はすべての選手にとって、まずい試合をしてしまった直後に、真っ先に話しかけてくれる。そして、乗り越えるために改善すべきポイントを教えてくれるんだ。」
「いつも強みを見出してくれ、トレーニンググラウンドやピッチ上でふたたび戦うために必要な自信を与えてもらえる。」
「これまでのキャリアにおいて、彼は大きな役割を担っている。悪い時期を乗り切るために、手を差し伸べてくれた。それに、試合でもっと重要なことを教えてくれたことで、だいぶ成長したよ。デビュー以来、ほんとに多くのことを教えてくれているんだ!」
トップチームへと昇格させて張本人であるクロップ監督は、様々な面で若手DFの支えとなりつつも、厳しく指導していることが窺い知れる。ネコ・ウィリアムズはまた、ジョーダン・ヘンダーソンやジェームズ・ミルナーらベテラン選手からのサポートも、成長するために重要なファクターであったことを告白している。
今シーズン含め、まだまだ若手選手として扱われているが、来シーズンはシビアな判断が下されるだろう。バックアップとして、信頼できるプレーを披露しなけえれば、ベン・ウッドバーンのようにU-23を主戦場に、トップチームでの席を追われるかもしれない。
ディフェンダーである以上、まずは守備面でのうまさを身に付けたい。運動量豊富で、アップダウンを繰り返す能力は魅力的だが、ポジショニングのまずさや局面での弱さを露呈する試合も少なくない。エバートンDFシェイマス・コールマンをロールモデルに、1対1で負けない強さを培う一方で、タイミング良く攻撃参加できる目を養う必要がある。
しかし、リバプールで試合経験を積み重ねるのは容易ではない。イングランド代表DFが右サイドに君臨しており、負傷などによる長期離脱する可能性も少ない。カップ戦だけで試合感覚を養うのも可能だが、できればもっと試合に出たいところ。理想的には、ローン移籍で着実に経験を培うべきと言えよう。
チャンピオンシップを筆頭に、スタメンの座を確保できるクラブへのレンタルで、もっとも足りない試合中での学習に時間を費やしたい。クロップ監督がどのように考えているかは計り知れないが、ウェールズ代表DFのキャリアを考慮すると、やはりローンでの放出を容認すべき。ただ、そのためにはアレクサンダー=アーノルドの控えの獲得、もしくはセンターバック枚数を増やし、ジョー・ゴメスを右SBに起用できるようにしないといけない。
はたして、来季の陣容はどうなるのだろうか?サイドバックに限らず、他のポジションでの補強含め、いまから楽しみでならない…