今冬にも移籍の可能性があったフランスU-21代表DFイブラヒマ・コナテ。数週間前には獲得間近との報道が出ており、 加入は既定路線に思われたが、選手本人が移籍の噂を否定。オファーの真意が疑われたものの、報道を落ち着かせるためのパフォーマンスだったようである。
『CaughtOffside』によれば、RBライプツィヒとリバプールは移籍金3200万ポンド(約44.8億円)で交渉がまとまったと報じた。今後メディカルチェックをパスしないといけないが、正式発表が約2週間後の5月1日に予定されている。ポテンシャルと年齢を考えると、非常に格安での補強となり、良い買い物と言える。
フィジカル面での強さで、対人守備にも強く、プレミアリーグでの適応にも問題はない。走力やボール扱いにも長けている近代的なセンターバックのひとりであり、将来性にも富んでいる。ブンデスリーガでも同国代表DFダヨ・ウパメカノとともに見事なパフォーマンスを継続的に披露しており、実績も十分だ。
近年は度重なる怪我に悩まされており、在籍しているジョエル・マティプのように度々離脱してもらっては困る。それでも、リバプールは怪我の状況や発生した理由などを事前調査していた模様で、慎重に選手の状態を確認しながら交渉を進めており、ブンデスリーガでの二の舞は避けられそう。
今季は呪いが如く、センターバックに負傷者が相次いだリバプール。フィルジル・ファンダイクやジョー・ゴメス、ジョエル・マティプと主力センターバックは長期離脱で、ファビーニョやジョーダン・ヘンダーソンがカバーを強いられた。実力的に劣るナサニエル・フィリップスやリース・ウィリアムズも頑張りを見せたが、継続性には乏しかった。
緊急事態を救うために、シャルケからトルコ代表DFオザン・カバクをレンタルで獲得。プレストン・ノースエンドからもベン・デイビスを獲得しており、枚数はなんとか確保できた。カバクに関しては、徐々にプレミアリーグに適応し、本来のプレーを見始めている。買取オプションの行使も可能性が高まっており、来シーズンもアンフィールドに残留するかもしれない。
フランスU-21代表には、ジョー・ゴメスとのポジション争いが待ち受ける。絶対的なディフェンスリーダーであるファンダイクは不動であり、負傷癖の抜けないマティプの序列は下がる見込み。仮にカバクが完全移籍となれば、4番手争いを元カメルーン代表DFと繰り広げることになる。
さすがに6番手以降は過剰人員となるため、長期離脱者の続出を見事にカバーしたフィリップスの退団は免れないだろう。また、ベン・デイビスも試合出場なしでの放出が現実味を帯びている。マティプも絶対的な存在から控え選手にランクダウンとなるため、資金を増やすために売却もあり得る。
まずは、完全移籍の正式発表を待ちたい。今夏にはセンターバック陣の入れ替えが起こる確率も高まる中、来シーズンの布陣がどうなるか妄想しながら、チャンピオンズリーグ出場権獲得を目指すクラブを応援したい…