昨年にはマンチェスター・ユナイテッド移籍が目前に迫ったドルトムントFWジェイドン・サンチョ。今シーズンも好調を維持しており、31試合12得点16アシストを奪っている。ジョヴァンニ・レイナら10代選手の台頭が目立つクラブにおいて、確固たる地位を築いている。現在は負傷のため離脱中だが、依然として将来有望な若手選手の評価は変わっていない。
今夏の移籍市場では、マンチェスター・ユナイテッドがふたたび触手を伸ばすことが予想される中、元リバプールFWファビオ・ボリーニは、レッド・デビルズではなく、古巣リバプールにイングランド代表FWの獲得を促している。まだまだ21歳と今後10年近くチームを支え続けれる逸材であり、事実昨年にはリバプールが獲得を狙っていると報じるメディアも多く存在していた。
ASローマで活躍が認められ、アンフィールドへと新天地を求めた元イタリア代表FWだが、38試合3ゴールとインパクトは残せず。ローン移籍したサンダーランドで一定のパフォーマンスを見せ、最終的にはサンダーランドへと完全移籍。約2年間の在籍期間で結果を出せず放出となったわけだが、かつてのクラブに攻撃陣に深みを持たせるべきであるとコメントしている。
「リバプールとライバルクラブを比較してみると、攻撃陣にさらなる深みを持たせるとチームはぐっと良くなると思う。」
「ジェイドン・サンチョは素晴らしい補強となるはずだし、マンチェスター・ユナイテッドから強奪できれば最高だね。」
現在はファティ・カラギュムリュクSKに所属するボリーニの言う通り、サンチョを獲得できれば願ったり叶ったりと言える。しかし、昨年の時点で1億ユーロ(約130億円)を超える移籍金を要求していたドルトムントだけに、大幅な減額は望めない。つまり、相当な出費を見込まなければいけず、数多くの選手を放出するか、エース級の選手たちを売らないと補強資金は集められない。
イスマイラ・サールら何名か獲得候補に挙がっており、その移籍金は圧倒的に格安だ。ディオゴ・ジョッタが見事な活躍を見せ、来シーズンはハーヴェイ・エリオットがローンから復帰する現段階で、わざわざ大金を費やすギャンブルに出る必要性は低い。
無論、モハメド・サラーにはモチベーション問題が常に付き纏い、レアル・マドリード移籍の噂がたびたび報道されている。今季のサディオ・マネはゴール数が思うほどに伸びず、ロベルト・フィルミーノも新シーズンには30歳を迎える。最強とも謳われたフロントスリーに世代交代の必要性が叫ばれ、アカデミーも含めて、新たな点取屋の確保は急務。
それでも、ドルトムントFW獲得に動く可能性はとてつもなく低く、余程のことがない限りはマンチェスターへの移籍は変えようがない事実だろう。ジェイドン・サンチョがアンフィールドに来てくれれば嬉しいが、ファビオ・ボリーニの訴えも儚い夢に終わりそうだ…