昨年10月エバートン戦で、相手GKジョーダン・ピックフォードとの交錯で前十字靭帯損傷の大怪我を負ったリバプールDFフィルジル・ファンダイク。以降は手術とリハビリに励んでおり、最近はボールを使ったトレーニングも始まっているが、今シーズン中での復帰は絶望的。
ディフェンスリーダーを失ったチームは最初の数ヶ月こそ耐えていたものの、徐々に不在の影響が出てくる。ジョーダン・ヘンダーソンも失ったことも重なり、ピッチ上でチームを引っ張り鼓舞する存在をなくしてしまい、低調なパフォーマンスに終始。
昨年の勝負強さが見る影もなく、ホーム6連敗という不名誉な記録を作ってしまった。昨日レスター・シティがマンチェスター・ユナイテッドに勝利を収めたことで4位以内フィニッシュが限りなく難しくなってきた昨年のプレミアリーグ王者だが、チャンピオンズリーグやヨーロッパリーグ出場権確保を目指し、最後まで諦められない。
リバプール公式とのインタビューに応えたオランダ代表キャプテンでもあるファンダイクは、新型コロナの影響で1年間延期となり、今年の夏に開催予定のユーロ2020への参加を見送る決断を下したことを明かし、シーズンオフにリハビリに集中することを明言した。
「7ヶ月前に負傷してしまい、復帰への道のりは非常に長かった。これまでやってきた通り、少しずつ回復しなければいけなかった。」
「大きな後退もなかったし、リハビリはうまくいっている。着実に前進している。」
「最近の復帰プログラムにおいて、僕自身、意思決定を迫られた。ユーロに参加するか否かという問いにね。」
「すべての事象について考え、オフシーズンにリハビリの最後のセッションを行うためにも、肉体的な視点からもユーロ参戦を見送ったのは正しい判断だったと感じている。」
「全神経はプレシーズンに注ぐつもりで、現実的な目標であり、いまから待ちきれない。」
「正直に言えば、ユーロ不参加は残念で仕方ない。ヨーロッパのチャンピオンを決める大会で、母国を代表できるわけだからね。でも、現状を理解した上で受け入れなければいけない。全員が受け入れないといけなかった。」
「長い目で見れば、見送りの決断は正しいものだと思う。タフだけど、心穏やかに過ごしているよ。」
守備では絶対的なリーダーシップで、最終ラインをまとめ上げ、ピンチには圧倒的な読みとフィジカルで芽を摘む。正確なロングフィードで、両ウイングやサイドバックが裏への抜け出しにピンポイントで合わせ、一気にチャンスを作り上げる。
さらには、コーナーキックやフリーキックの場面で攻守に強さを発揮する。とくにファンダイクとジョエル・マティプを欠いたコーナーキックにはゴールはおろか、チャンスの匂いすらしない。ナサニエル・フィリップスやオザン・カバクも打点は高いが、マーク外しで劣るのか、ヘディングの強さを攻撃面で見せられていない。
攻守両面でオランダ代表DFの復活が待たれるチームだけに、負傷が長引く、もしくは新たな怪我を負ってしまう可能性のある大会への参加回避は朗報。夏休み中に完全に回復し、プレシーズンからふたたびピッチで輝くフィルジル・ファンダイクが見られそうだ…