リヴァプールDFナサニエル・フィリップスが移籍騒動からファンダイク負傷まで振り返り…心境の変化を赤裸々に語った

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Nat Phillips reveals moment he stopped training to leave Liverpool チーム

2019/20シーズン、ボルトン出身ディフェンダーであるナサニエル・フィリップスはVfBシュトゥットガルトにローン移籍し、19試合に出場しブンデスリーガ昇格に貢献した。定期的に試合出場の機会を得ていた同選手は、昨夏にレギュラーでの出番を求めた移籍が直前まで迫っていた。

絶対的なディフェンスリーダーでもあるフィルジル・ファンダイクに加え、イングランド代表DFジョー・ゴメスと元カメルーン代表DFジョエル・マティプがポジションを争う。デヤン・ロブレンを放出した4番手センターバックにはファビーニョが控え、盤石なセンターバック陣容にも思えた。

しかし、シーズンは最悪な展開に。エバートン戦でファンダイクを欠いたリバプールは、代表選に参加していたゴメスの長期離脱で短い期間に主力センターバック2名を長期離脱で失ってしまう。マティプも後を追うように負傷離脱し、守備陣は危機的状況に陥ってしまった。

ファビーニョやジョーダン・ヘンダーソンらが不慣れなポジションにもかかわらず、センターバックをカバーするなか、リース・ウィリアムズやローンで加入したオザン・カバクが穴を埋めた。そのなかでも、ナット・フィリップスは一気に評価を高めた。

持ち前のヘディングの強さで相手を圧倒し、センターフォワードに自由なプレーをさせない。そんなイングランド人DFも昨年夏には放出候補の筆頭であり、スウォンジー・シティへの移籍が完了寸前だった。当時を回顧したフィリップスは、慌ただしかった日々を明かしている。

「あの日は練習を早めに上がって、移籍に備えていた。」

「スタッフ全員が移籍のことを知っていた。完全移籍になる予定で、トーレニングで負傷しないよう慎重に扱ってくれていた。」

「でも、雲行きが怪しくなっていった。ほとんど完了したかに思えたけど、時間が経つにつれて、”今朝に予想していたように物事が運ばないかもしれない…”と考えるようになっていったんだ。」

最終的には移籍が頓挫し、リバプール残留となった若手センターバック。レギュラーでの試合出場を夢に見ていた同選手は、移籍破談には非常に落胆したようだ。

「ほんとに落胆したよ。ファンたちの前で、ファーストチームでプレーする機会になるはずだった。チームに価値をもたらし、シュトゥットガルトでもそうだったように、練習に参加するだけの選手をから抜け出せるチャンスだったからね。」

「移籍を前提に準備を進めてきていた。ファンダイクやゴメス、マティプ、ファビーニョが序列で上にいることは理解していたし、誰も僕がプレー時間を得るとは思っていなかったはずだからね。」

「レギュラーとしてプレーしたかった。チームに貢献できる存在になり、チームを前進させることを望んでいた。だからこそ、リバプールを離れることを検討していた。」

「シーズン序盤において、公式戦にファーストチームでの出番が巡ってこなくて…年齢のことも頭の片隅にあって、少し焦っていた。」

「24歳や25歳になって試合経験に乏しい選手にはなりたくなかったし、僕の年齢ではなにより試合でプレーしなければいけないんだ。」

ただ、その後は状況は一変する。ファンダイクが負傷にシーズン終了が決定的になると、ゴメスも同じく今季での復活が絶望的に。期待を一身に背負ったマティプも負傷を繰り返しながらも、最終的には長期離脱で主力センターバックがいなくなる異様なチーム状況になってしまう。

リバプールにとっては、とくにディフェンス陣をまとめるオランダ代表DFの離脱に頭を悩ます。一方で、それまで出番のなかったフィリップスにはまたとないチャンスが訪れた。負傷続出に残念な思いを吐露しながらも、出番を得られることへの心の高まりを赤裸々に語っている。

「ファンダイクの怪我にはゾッとしたし、彼にとっても、クラブにとってもひどいものだった。」

「選手が負傷するのはいつ見ても全く慣れない。でも、今回のケースではクラブは別のセンターバックに頼らざるを得ず、大きなチャンスが巡っていた。」

「あの当時はプレーできる機会に感謝していたし、クラブも危機的状況下で僕に頼らなければいけなかった。以前にもトップチームで出場機会を得れそうだったけど、僕も怪我をしていて実現には至らなかった。でも、今回はコンディションも悪くなく、シュトゥットガルトで経験も積んでいたこともあり、チャンスを掴み取った。」

「リバプールの選手に求められるレベルの高さには、プレッシャーを感じていた。」

「レベルだけじゃなく、世界的なセンターバックでもあるファンダイクと比較され、彼と同じ仕事を期待されてしまう。ところが、僕はリバプールのためにプレーできるチャンスにただただ興奮していて、ファーストチームでサッカーをふたたびできる喜びをひたすら感じていた。」

昨年夏の出来事からセンターバックに襲い掛かった異常事態まで、心境の変化を包み隠さずに述べたナット・フィリップス。ポジショニングやカバーリングなど改善すべき点は多いが、バーンリーやウェストハムなど強いフォワードを有するチームには見事な対応を見せた。

シーズン終了までカバクやリースとともに、最終ラインを支え続け、3位フィニッシュに貢献した同選手の評価額は倍以上にも跳ね上がっており、プレミアリーグクラブですら獲得を目指していると言われるほど。

来シーズンは残留しても、移籍しても不思議ではない立場にいる。アンフィールドでは今シーズンほどの試合数は経験できないが、イングランド人センターバックはいかなる選択を下すのか…注目したいところだ…

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