昨年夏にウルヴァーハンプトン・ワンダラーズからリバプールへと加入したポルトガル代表FWディオゴ・ジョッタ。すぐさまチームにフィットし、フロントスリーと遜色ない活躍ぶりを見せた。シーズン中盤戦を怪我で離脱していたものの、後半戦ではふたたび存在価値を示した。
セネガル代表FWイスマイラ・サール獲得に向けて、ワトフォードと交渉していたが支払い方法でまとまらず。数日後にはウルヴァーハンプトン・ワンダラーズとクラブ間合意にたどり着いた昨年のプレミアリーグ王者はそのままの勢いで個人合意も締結し、わずか数日の獲得劇は、サポーターすらも驚かせた。
メキシコ代表FWラウル・ヒメネスに次ぐ、チーム内でも2番目に得点を挙げていたフォワード放出の決定に、ウルブズ取締役会長ジェフ・シー(Jeff Shi)は当時を振り返り改革が必要であった事実を吐露し、双方のクラブにとって良い移籍であると判断した背景を語った。
「ビジネスだけの話ではない。ヘッドコーチですら、毎シーズン少しの変化が必要になる。」
「クラブは常に新しい血を求めている。プレミアリーグは変化の速度も速く、同じチームを継続していては遅れを取ってしまう。」
「スポーツ的かつ技術的な視点から、シーズンごとに変化していかないといけない。4年や5年ものあいだ同じ街に在籍している選手にも、ときには変化が必要なんだ。」
「例えばジョッタが残留していたとして、リバプールで見せているほどのパフォーマンスを披露できていなかっただろう。新たな環境で、新たなチームメイトだからこそ、いまの活躍が出来ている。」
「仮に選手を売却し収益をあげられれば、もっと補強すべきポジションにその資金を回せる。ディオゴ・ジョッタのケースで言えば、直近5年間でも最高の取引になった。選手本人、売り手、買い手の3者すべてにとってメリットがあるものだったからね。」
今シーズンは退団したポルトガル代表FWの穴を埋めきれず、さらにはエースであるラウル・ヒメネスが頭蓋骨骨折で長期離脱。新星FWペドロ・ネトもリーグ後半戦は負傷で離脱し、5ゴールに終わっている。スペイン代表FWアダマ・トラオレも前半戦は不調に苦しみ、ファビオ・シウバも経験値の無さを露呈し、チームとして苦しいシーズンを過ごした。
変化を強調した取締役会長の言葉通り、シーズン終了後には2017年からチームを率いたヌーノ・エスピーリト・サントが退団した。後任はまだ発表されていないが、まさに変化のときを迎えた。成熟したチームに訪れた変革を乗り越え、来シーズンは本来のウルブズ・サッカーを取り戻し、今季より上の成績でプレミアリーグを終えたい…