フランス代表としてEURO2020に参戦しているバイエルン・ミュンヘン所属の快足WGキングスレイ・コマン。左サイドを主軸に、スピードとアジリティに恵まれた優れたドリブル技術を最大に武器に、相手ディフェンスを切り裂く。
25歳ウィンガーは昨シーズンにおいて、39試合8得点15アシストを記録。右ウイングでもプレー可能で、主力組のひとりとしてシーズンを戦い抜いた。PSGアカデミーで育ち、ユベントスで才能の一端を見せつけると2017年にドイツ王者へと正式入団。以来、200試合41ゴール50アシストと素晴らしい数字を残している。
『Gazzetta Dello Sport』によれば、前線の強化を目指すリヴァプールがフランス代表FWに対して、3000万ポンド(約42億円)にも上る獲得オファーを提示したが、バイエルンによって拒否されたようだ。4200万ポンド(約58.8億円)を移籍金に設定しており、両クラブにはだいぶ開きがある。
フォワード陣で言えば、フィオレンティーナFWドゥシャン・ヴラホヴィッチへの関心が頻繁に取り沙汰されるリヴァプール。プレミアリーグ奪還を目指し、サディオ・マネやロベルト・フィルミーノが得点力に苦しんだ昨シーズンからの脱却を図りたい。
他にも、かつてアーセナルに所属していたオランダ代表FWドニエル・マレンやイタリア代表FWドメニコ・ベラルディらも獲得リストに名前が掲載されており、同クラブは選手の動向を追っている。いずれもEURO2020に参加しており、大会後に移籍関連に大きな動きが見られるだろう。
バイエルン・ミュンヘンFWキングスレイ・コマンへのオファーは面白い選択肢。両ウイングでドリブル突破でき、ゴールにクロスに精度の高いものを供給できる。長い手足と独特なリズムでプレミアリーグでも十分に活躍できるはず。
ただし、サディオ・マネやモハメド・サラーと比較すると得点力に物足りなさが残る。典型的なウインガーで、フィルミーノを追い越して中に入る動きが求められるチームにはいまいち疑問符が付く。また守備面での貢献には乏しく、ディフェンスでの強度に問題がある。
ゲームの流れを変えるオプション扱いであれば、前線の枚数確保だけでなく、チームの貴重な戦力となってくれる。決して最適解とは言えないプレーヤーだけに、今後の動きには注目が集まる。ハーヴェイ・エリオットも復帰するフォワード陣に、新たに新戦力が加入する未来は待ち受けているのだろうか…