新型コロナに伴う財政難が、サッカー界を襲っている。バルセロナなどのメガクラブでさえ収支バランスを整えることに必死であり、リバプールも決して例外ではない。一部の金満クラブを除き、新戦力の獲得資金作りに躍起である。
リバプールにおける余剰人員の売却は思い通りには進んでいない。評価額での乖離や完全移籍への躊躇など具体的なオファーがあったとしても、交渉は前進している印象はない。EURO2020にも参加したウェールズ代表ハリー・ウィルソンもそのひとりであり、クラブは1500万ポンド(約21億円)前後の売却益を得たい方針。
24歳フォワードは昨シーズン、カーディフ・シティへとレンタル。ここ数シーズンは毎年レンタルを繰り返しており、そろそろ居場所を確保したい年齢になってきている。カーディフ・シティやプレミアリーグ昇格を決めたブレントフォードら興味を見せるクラブが多いが、交渉までは至っていない。
『Goal』によると、プレミアリーグからの降格が決まり、来シーズンはチャンピオンシップで再スタートを誓うフラムも関心を示しており、現時点で獲得レースをリードしている。ただし、まだ正式オファーを提示しておらず、リバプールが求める移籍金がネックとなっているようだ。
マルコ・シルバ新監督が就任し、1年でのトップリーグ復帰を目指す同クラブはイヴァン・カヴァレイロやアンソニー・ノッカートに対して同等額を支払っている事実から、いますぐに移籍金の値引きは実現しなそう。
昨年にはバーンリーから届いた1200万ポンド(約16.8億円)の正式オファーにも首を縦に振らなかった。カーディフでは38試合で7ゴールを決めた同選手の評価は高まっていると考えており、約21億円前後を頑なに守りたい。
さらなるローン移籍を望まないリバプールは、今夏での完全移籍を成し遂げ、新たな戦力への資金に充てたい。財政難からローンを希望するクラブも多く、売却に苦戦するようであれば、移籍市場の終盤には値下げに応じる可能性も考えうる。
ウェールズ代表FWの新天地はどこになるのだろうか…?シェルダン・シャキリやディボク・オリギ、マルコ・グルイッチら他の放出候補たちの去就と併せて、引き続き注目していきたい…