現役時代はウェストハム・ユナイテッドやクイーンズ・パーク・レンジャーズで数多くの試合に出場し、プレミアリーグを中心に活躍した元イングランド代表トレヴァー・シンクレア。マンチェスター・シティにも在籍経験があり、98試合6ゴール4アシストの数字を残している。
古巣マンチェスター・シティに加えて、マンチェスター・ユナイテッドやチェルシー、トッテナム、アストン・ビラと積極的に大型補強を実現させたクラブとは対照的に、リバプールがここまでフランスU-21代表DFイブラヒマ・コナテ獲得のみに留まっている。
長期離脱していたフィルジル・ファンダイクやジョー・ゴメス、ジョエル・マティプが復帰し、強固なセンターバックラインが再形成。他方で中盤のエンジンでもあったジョルジニオ・ワイナルドゥムが退団した後釜確保には至っていない。
ハーヴェイ・エリオットや南野拓実らローンバックの選手たちがおり、戦力として多少の上積みは実行できたものの、昨シーズンと顔ぶれは大きく変わらず、ビッグネームも加入していない。補強の少なさに不安を募らせるサポーターもいる中、元イングランド代表MFはトップ4からの陥落もあり得ると警鐘を鳴らしている。
「ファンダイクが戻ってきたことは知っているけど、リバプールは少し心配だ。」
「シンプルに中盤のエリアに十分な投資をしておらず、プレミアリーグで優勝争いをするためには絶対的に何か対策を講じなければいけないと思う。」
「彼らが戦力に厚みを持っているとは言い切れない。ファンダイクは一流の選手だけど、昨年のような膝の怪我からの復帰は慎重にならないといけず、毎試合でのプレーは難しい。」
「彼らのキャプテンでもあるジョーダン・ヘンダーソンは契約問題に揺れ、ワイナルドゥムを失った。」
「フロント・フォーは依然として脅威で、ジョッタはEUROでも良かった。だからこそ、彼がふたたび大きなインパクトを残すと考えている。」
「でも、ディフェンス面ではロバートソンも怪我を負っており、リバプールにはスムーズなシーズン開幕はなさそうに思える。」
48歳になった元イングランド代表MFの言葉もごもっとも。中盤でフル稼働した選手の代役を補強できず、頼るはカーティス・ジョーンズら若手、もしくは怪我がちのナビ・ケイタやアレックス・オックスレイド=チェンバレン。
他のビッグクラブの補強から比べてしまうと、悲観的に映るのも致し方ない。シンクレア以外にも中盤のインテンシティや前線の世代交代がうまく行っていないとコメントする元選手やジャーナリストが多いのも事実であり、確かにプレースタイルが修正せざるを得ない。
それでも、これまでも的確な補強で常勝軍団を作り上げたユルゲン・クロップ監督および首脳陣だけに、周りの雑音を弾き返して、マンチェスター勢やロンドン勢との優勝争いで優位な立場で勝負を繰り広げてくれることを信じてやまない…