サッカー界はインターナショナルマッチウィーク真っ只中。世界各地ではワールドカップ出場に向けた熱い戦いが行われているが、中には最強メンバーを揃えられなかった代表がある。英国政府によって『レッドリスト』指定を受けている国々への派遣をプレミアリーグ全体として拒否する決定を下した。
プレミアリーグクラブの言い分としては、渡航に際して10日間の隔離生活が余儀なくされるため。2週間近く試合に出られなくなるため、クラブは派遣に難色を示しており、最終的にはリーグ全体の総意として決断が下された格好だ。
リバプールからはエジプト代表のエースでもFWモハメド・サラーやブラジル3人衆(ロベルト・フィルミーノ、ファビーニョ、アリソン・ベッカー)が代表に参加できず。サラーに関しては、2戦目がアウェイでのガボン戦で、ガボンが『レッドリスト』指定を受けておらず、2戦目から合流が叶った。
ブラジル代表は1戦目を行ったチリも『レッドリスト』に記載されており、2戦目と3戦目もホームのブラジル開催であったため、全試合を逃すことになり、選手たちは英国に留まった。アリソンなどは残念さを吐露していたが、状況的に難しい判断を受け入れた。
しかし、ブラジルサッカー連盟は黙っていなかった。『The Athletic』によれば、FIFAに対して、レギュレーション通り招集に応じなかった選手たちに5日間の出場停止を課すことを求め、招集に応じなかった選手たちに制裁が適応される見込みだ。
プレミアリーグは返答内容を検討しているようで、FIFAの通達に反論する可能性も残されている。新型コロナの影響とはいえ、招集拒否との判断が下れば、多くのクラブが影響を受けることになる。
リバプールはロベルト・フィルミーノやファビーニョ、アリソン・ベッカーのセンターラインが次節リーズ・ユナイテッド戦を欠場となる。フィルミーノは負傷しているため影響は薄いが、ファビーニョとアリソンの出場停止は痛すぎる。
対戦相手のリーズ・ユナイテッドもまたFWハフィーニャが出場停止。攻撃で変化をつけられるブラジル代表FWの欠場は、リバプール同様に大きすぎる痛手になる。
他にもマンチェスター・シティはGKエデルソンやガブリエウ・ジェズス、マンチェスター・ユナイテッドはMFフレッジ、チェルシーもDFチアゴ・シウバらが週末の試合のみならず、チャンピオンズリーグの試合すら逃す可能性がある。
エバートンFWリシャルリソンもメンバーに選ばれていたが、今回の措置の適応外。東京オリンピックへ同選手を派遣したことで、出場停止から逃れるようだ。
なお、ブラジルだけではなく、チリやメキシコ、パラグアイサッカー連盟も同様の措置を求めて動く可能性があるとしており、今後も余波が広がるかもしれない…