2016年にマインツからリヴァプールに加わったドイツ人GKロリス・カリウス。当時の正GKシモン・ミニュレのポジションを徐々に脅かし、翌年のシーズン後半戦にはスタメンの座を手に入れると、勢いそのままにチャンピオンズリーグ決勝戦に出場。
しかし、決勝戦では悪夢に襲われる。スローイングからのパスミスを、レアル・マドリードFWカリム・ベンゼマに奪われ先制点を許す。その後もガレス・ベイルのミドルシュートをファンブルしてしまい、試合を決定づける得点を献上してしまい、戦犯として扱われた。
世界が注目する舞台での失態以降、精神的に落ち込んだ元マインツGKのパフォーマンスは低空飛行を続ける。ベシクタシュやウニオン・ベルリンへのローン移籍でも調子は戻らず、守護神のアリソン・ベッカーだけではなく、アドリアンやクィービン・ケレハーにもポジション争いで敗れ、今夏での移籍が取り沙汰されていた。
なかなか移籍報道に進展がなく、夏の間ずーっと買い取り手探しに苦慮していたリヴァプール。『The Athletic』によれば、FCバーゼルから獲得オファーが届き、クラブは移籍を容認していたものの、選手が個人合意に達せれずに移籍は叶わなかった。
クラブでは4番手ゴールキーパー扱いで、カップ戦でも出場は困難。残留したとしても出番が巡ってくる可能性が限りなく少ないことを認識していたはずだが、それでもスイスへの移籍には合意できなかった。
契約満了まで1年を切った同選手だが、来年1月の移籍市場での待たなければならない。ほぼ移籍金は望めないため、契約満了でも大きな痛手は追わないリヴァプール。それでも、少しでも売却益を得るためにも、買い手探しは続く。
いまやローン移籍ですら獲得を希望するクラブがなくなってしまった元ドイツU-21代表GKは、来シーズンにはどのクラブでプレーしているのだろうか…?