過去にはリヴァプールで名声を欲しいままにしていたブラジル代表MFフィリペ・コウチーニョは、バルセロナ移籍とともに苦しいキャリアを過ごしている。リオネル・メッシやルイス・スアレスとの共闘に苦戦し、アントワーヌ・グリーズマンらの加入もあり、序列は下がる一方。
皮肉にも、悲願のチャンピオンズリーグ制覇をローン先のバイエルン・ミュンヘンで成し遂げるものの、ドイツ王者は買取オプションを行使せず。度重なる怪我にも悩まされ続け、本調子を取り戻せない元リヴァプールMFは、昨シーズンの出場試合はわずか14試合。
今季もフィットネスの問題で出遅れたが、直近のリーグ戦3試合連続で出場機会を得ており、かつての独特なリズムでのドリブル突破と卓越したパスセンスを取り戻すべく、コンディション調整に余念がない。
一方、所属クラブは財政難に苦しんでいる。今夏にはサラリー・キャップ問題により、リオネル・メッシを放出せざるを得ず、さらにはジェラール・ピケら中心選手にも給与減額を依頼しなければならなかった。また、高給を受け取っていたフランス代表FWアントワーヌ・グリーズマンも放出している。
同じように、高い給与を受け取るブラジル代表MFにも退団の噂がメディアを賑わせていた。ただし、選手本人が望んでいるとも言われるリヴァプールは再獲得に関心を示さず、プレミアリーグのクラブに熱烈な売り込みをかけたが、結果的には買い手が見つからなかった。
『El Nacional』によれば、フィリペ・コウチーニョのイングランド再上陸が今冬にも実現するかもしれない。トッテナム・ホットスパーとアーセナルがレンタル移籍での獲得を目指し争っており、早ければ来年1月中にも加入しそうだ。
スペインでは運に見放されている印象もある同選手だけに、キャリアのピークを過ごしたイギリス帰還を臨む可能性は高い。29歳とベテランの領域に近づいていることもあり、最後の最後に生き生きとした元リヴァプールMFの姿を拝みたい。
他方、バルセロナを率いるロナルド・クーマン監督には成績不振から解任の噂がつきまとう。様々な後継者の名前が挙がっており、若手を中心に使わざるを得ないチームを引き受ける指揮官が誰になるかは非常に興味深い。クーマン監督がこのまま頑張る選択肢も、もちろん残されている。
リヴァプールサポーターの立場としては、他のチームでプレーする稀代のテクニシャンは見たくない。それでも、現在のシステムにフィットするとは思えず、別のクラブで重宝され、輝きを取り戻す復活劇には期待が大きい。
はたして、ブラジル代表MFがイングランドにふたたび上陸する未来はやってくるのだろうか…?