2017年までの6年間をアーセナルで過ごした元サウサンプトンMFアレックス・オックスレイド=チェンバレン。当時のアーセン・ベンゲル監督の起用法に不満を募らせたイングランド代表MFは、2017年の夏にリバプール移籍を手に入れた。
希望していた中盤での起用も増え、フロントスリーと強力な攻撃陣を形成するかに見えた矢先に大怪我で戦線離脱。その後も度重なる負傷で本調子を取り戻せず、チアゴ・アルカンタラの加入やカーティス・ジョーンズら若手の台頭により出場機会が激減している。
今シーズンは怪我もなく、プレシーズンからチームに帯同。しかし、中盤の序列は下降線を辿り、ナビ・ケイタにも遅れを取っている。シーズン開幕からここまでのほとんどをベンチで過ごし、スタメンで出場したのはわずか2試合のみと満足に出番を得られていない。
リバプールと2023年まで契約を結ぶ同選手だが、現時点で契約延長の話は出てきていない。すでに2年を切っており、来年夏にはフリートランスファーの匂いが香り出す。移籍させるにしても、割り引いた金額でしか売却できず、クラブは大きな決断を下さなければならない。
モハメド・サラーとの契約延長交渉が難航しているとも伝えられ、大幅な給与アップとなれば、財務収支も大きく変わる転換期。まして、今夏には多くの主力との新契約を締結しており、オーナー陣はバランスを調整しながら、優先度の低い選手たちとの契約を検討することになる。
『The Sun』によれば、プレミアリーグ開幕からの暗黒時期を脱出しつつあるアーセナルは、4年ぶりとなるアレックス・オックスレイド=チェンバレンの帰還を画策している。ミケル・アルテタ監督からすれば、元チームメイトとの再会を果たすことに。
しかし、この移籍が実現するかには懐疑的な姿勢を崩せない。ブカヨ・サカ、マルティン・ウーデゴール、エミール・スミス=ロウら若きミッドフィルダー陣が躍動し、ガブリエウ・・マルティネッリやニコラ・ペペも控える攻撃陣に割って入る隙間は少ない。
両ウイングや攻撃的ミッドフィルダーを担える元アーセナルMFは、貴重な存在になり得るだろうが、絶対的なレギュラーを掴むのは困難。若手が多いだけに、経験値を求める可能性も否定できないが、数年後を見据えたチーム作りから方向転換を余儀なくされてしまう。
報道にも具体性はなく、ゴシップでしかなさそうだ。しかし、イングランド代表MFが現状に満足しているとは言い難く、アーセナル以外の中堅クラブへの移籍を志願しても不思議ではない。
監督からの信頼が高く、ミッドフィルダーとして出場機会を増やせるクラブへの移籍は可能性が高いストーリーであり、来年の夏に完結するかもしれない。まだまだ衰える年齢ではないだけに、リバプールでの復調にしろ、他クラブへの移籍にしろ、ふたたびトップフォームで躍動するオックスレイド=チェンバレンに期待したい…