今季のチャンピオンズリーグで『死の組』と目されているグループB。リバプールやアトレティコ・マドリード、ACミラン、ポルトと各国強豪が集い、どのクラブにもグループステージ突破するだけの実力があり、どのチームにとっても困難なタスクであることは間違いない。
熾烈な戦いが繰り広げられているグループにおいて、頭2つ抜け出しているのが、リバプールとアトレティコ・マドリード。そんな2つのクラブが、スペインの地で直接対決。ともにパッションに溢れる監督対決にも注目が集まった。
試合開始すると、アウェイのリバプールが主導権を握った。モハメド・サラーが3人を交わして放ったシュートは、ディフェンダーの足に当たりコースが変わった結果、ゴールに吸い込まれ先制に成功。さらに5分後には、ナビ・ケイタが見事なボレーシュートを叩き込み、リバプールが追加点を奪う。
アトレティコ・マドリードも巻き返す。前半のうちに、アントワーヌ・グリーズマンの2ゴールで同点に追いつく。ホームの歓声に後押しされたチームは、勝ち越し点を狙うも前半終了。後半52分には、アクシデントだがロベルト・フィルミーノの頭部を蹴ってしまったグリーズマンが一発レッドカードで退場処分。
その後は10人で守備を固めたアトレティコが自慢のディフェンス力を見せ付ける。ただ、78分にマリオ・エルモーソの不用意なファールでPK献上。エジプト代表FWが、もらったチャンスを確実に決め、リバプールが逆にリードを奪う。
しかし、劇的な展開を迎える。ディオゴ・ジョッタが相手選手を倒して、主審はPK判定を下したが、VARにより判定が覆った。エルモーソのファールほど足がかかっておらず、軽微な接触であったことから、どちらとも取れるようなシーンだった。
そのまま試合は終了となり、ホームでまさかの敗戦を喫したアトレティコ。ディエゴ・シメオネ監督は明らかに不満を抱いており、審判団の判定に満足していなかった。それにより感情が昂ってしまったのか、クロップ監督との拍手を無視し、一目散にベンチ裏に戻ってしまい、物議を醸し出している。
試合に負け審判に憤慨していたとはいえ、試合が終われば戦いぶりを称えるべきであり、シメオネ監督はリバプールへの敬意を欠いてしまった。この行為に対して、『BT Sport』で試合の解説を担当した元マンチェスター・シティDFジョリオン・レスコットは痛烈に批判するコメントを残した。
「度量が狭かったと思う。」
「試合前のユルゲン・クロップの(否定的な)コメントに対しては、平気な顔をしてたけど、今夜は握手もせずにトンネルを走り去ってしまい、臆病な行為だった。」
「ディエゴ・シメオネを監督として非常に尊敬している。試合中に観客や選手に愚痴を言うのは理解できる。」
「しかし、試合後に握手をしなかったのは、自分自身を失望させたと言わざるを得ないね。」