ジョルジニオ・ワイナルドゥム退団に伴い、リバプールの補強候補として有力視されていたレスター・シティMFユーリ・ティーレマンス。マンチェスター・ユナイテッド戦とブレントフォード戦と連発して、見事なゴールを沈めており、所属クラブが復調するキッカケを作っている。
モナコからレスターに加入すると、中盤のレギュラーに定着。攻撃面では的確なパスでリズムを生み出し、守備面でも献身性を発揮し、ウィルフレッド・エンディディとのコンビで最終ラインの前で相手の攻撃を防ぐ防波堤の役割を全うしている。
今夏の移籍市場が閉幕後も継続的に関心が報じられており、2023年まで契約を残すベルギー代表MFの獲得に向けて、来夏にも動き出すとも言われている。『Calciomercato』によると、ブンデスリーガの絶対的な王者バイエルン・ミュンヘンが同ミッドフィルダー獲得に興味を示し始めた。
ユリアン・ナーゲルスマン監督を迎え入れたバイエルンだが、今シーズンもリーグ・トップをひた走る。そんな中、2022年6月末で契約切れとなるフランス代表MFコランタン・トリッソの後釜に据えるため、ベルギー代表をチームに加える準備を始めているようだ。
フランス代表MFはクラブでレギュラーになり切れず、ドイツ代表MFレオン・ゴレツカとのポジション争いに敗れている。今夏にも売却を目指していたバイエルンであったが、選手本人が新型コロナに感染した影響もあるのか、移籍先が見つからなかった。
そうした状況もあり、新たなミッドフィルダーを補強しなければいけないドイツ王者とリバプールとが熾烈な競争を繰り広げる確率が高まっている。中盤におけるディフェンス面での強度が下がっており、リバプールにとっても打ってつけの人材になり得る。
移籍金が7000万ポンド(約98億円)とも伝えられており、複数クラブが争奪戦に参戦することを考えると、移籍金はさらに上がっていくかもしれない。その一方で、ユーリ・ティーレマンスとレスターとの契約延長が実現するかどうかによって、金額が減少する可能性も出てきている。
2023年6月末までとなっている現行契約の延長に向けて動いているものの、元モナコMFは『Sky Sports』とのインタビューに応え、移籍の可能性を否定しておらず、選択肢をオープンにしておきたい意向を示している。
「とくにアップデートはないけど、すべてに対してオープンだよ。移籍市場は閉まったばかり。だけど、できる限り多くの選択肢を残しておきたい。」
「ここにいる限り、クラブのためにすべてを捧げるよ。これまで全力を尽くしてきたし、さらに上を目指したい。契約を巡る状況はサッカー界では常に起こっていることだね。」
「話し合いは進んでいる。契約にサインするとも、サインしないとも言わない。どうなるか様子を見てみよう。」
もし、来年の夏までに契約がまとまらなければ、レスター・シティも売却を検討しなければならず、多少割り引いた金額での移籍にも渋々納得せざるを得ない。どのクラブにも共通する主力選手との契約延長問題。
クラブと代理人の間で展開される駆け引きを掻い潜り、リバプールもしくはバイエルン・ミュンヘンが獲得にたどり着くシナリオはあり得るのだろうか…?