スタッド・レンヌに所属するベルギー代表FWジェレミー・ドク。今夏のEURO2020では、切れ味鋭いドリブル突破で印象的なパフォーマンスを披露し、フル代表でも存在感を出せることを証明してみせた。
昨年の夏にアンデルレヒト(ベルギー)からレンヌ(フランス)に移籍した若きウインガーには、リバプールがかねてから動向を追っている。レンヌに移籍する前だけでなく、現在19歳の同選手は16歳だった3年前にはアンフィールドを訪れ、サディオ・マネらと会話するなど加入するチャンスもあった。
一方で、レギュラーでサッカーを出来る環境を何よりも重視していると言われるベルギーの逸材は、マネ以外にもモハメド・サラーやロベルト・フィルミーノ、ディオゴ・ジョッタらが君臨しているリバプールでは試合出場が限られることもあり、移籍に躊躇していると伝えられている。
近々ではフランスで成長を続けるであろう元アンデルレヒトFWは、ハムストリングや膝の負傷の影響もあり、今シーズンはほぼ試合に出られていない。リーグ戦では、ここまでわずか3試合と、怪我をしっかり治した上での巻き返しが期待される。
負傷中といえども、評価は変わらない。スピード溢れ、俊敏性にも優れるドリブラーは、個人で相手のディフェンスを崩せる。現時点では得点力が高いとは言えないものの、今後改善していくポテンシャルは持ち合わせている。
そんな若きタレントには、ヨーロッパ中の強豪クラブがこぞって関心を示している。同選手の父親が『Het Laatste Nieuws』に対して語った内容によれば、候補クラブのひとつであったバルセロナ移籍が実現することはなさそうだ。
「我々は(バルセロナから)何の知らせも受けていないし、現時点で彼らは大金を使うことができないと思う。」
「私が口に出せないだけで、ジェレミーを評価しているクラブは他にもある。」
「彼はまだ(クラブを)変えたいとは思っていないだろうが、サッカーではすべてが一瞬で変わってしまう。どのチームが興味を持つかによろだろうね。」
財政難に苦しむバルセロナは、まさに高い移籍金を支払うことはできない。アカデミー出身選手を中心にしたチーム作りを進める一方で、ダニエウ・アウヴェスを再獲得し、シャビ新監督はチーム内に経験値とプロフェッショナリズムをプラスしている。
かといって、リバプールも大金を捻出することは難しい。潤沢な資金を有しておらず、利益分を投資する補強戦略を取っているだけに財務面は素晴らしいが、チェルシーやマンチェスター勢と比べると物足りない補強となってしまっている。
それでも、結果を残してきたクロップ監督。ベルギー代表FWへの関心はホンモノであり、獲得のチャンスを窺っている。ただ、サラーやマネが在籍している以上はスタメンの座を確証できず、チームに加えるのは困難だろう。
フランスで成長を続ける間に、ジェレミー・ドク包囲網を形成し、3年後くらいにアンフィールドで躍動する姿を拝みたい…