絶好調アーセナルをアンフィールドに迎えた前節。リバプールは実力差を見せつけるが如く、落ち着いた試合運びに終始。敗れたウェストハム戦では浮き足だったディフェンスラインやプレスの強度が低かったミッドフィルダー陣が好パフォーマンスを披露。
前線では先発したサディオ・マネ、ディオゴ・ジョッタ、モハメド・サラーが全員得点を決め、さらには途中出場した日本代表FW南野拓実が今季リーグ戦で初得点。最終的には、4ゴールを奪った上で、クリーンシートを達成し圧巻の勝利を手に入れた。
代表戦で負傷が懸念されていたサディオ・マネが圧倒的なプレーで、日本代表DF冨安健洋に仕事をさせず。一方で、同じく代表戦で怪我を負ったジョーダン・ヘンダーソンはスタメンを回避し、アンディ・ロバートソンはベンチ入りすらせず。チアゴの完全復活があったにせよ、まだ負傷者には頭を悩ませそうだ。
とはいえ、ウェストハム戦から見事なカムバックを果たしたリバプールだが、期待の若手がプレミアリーグ初出場を記録し、完勝に花を添えた。地元リバプール育ち、幼い頃からのリバプールファン、そして熱烈なリバプールファンの家族を持つタイラー・モートンがその人だ。
注目の若手は、今季はカラバオカップで印象的なプレーぶりを立て続けに披露し、中盤に怪我人が相次いでいることもあり、ベンチ入りの回数が増えていた中でのリーグデビュー。おまけにアンフィールドでのデビュー戦には、選手本人も感情を抑えられないようだ。
「笑顔が止まらない。」
「子供の頃から親しんだクラブでもあり、他とは違う感情だね。」
「ずっとファンで、いざピッチに立ってみると、夢のような感覚。でも、待ち望んできたことだし、さらなる活躍のために努力していくよ。」
「サイドラインから観戦するのも貴重だけど、実際にピッチに立ってみると、全く違う感じがした。」
「緊張はしていたけど、良い緊張感だった。深刻なものじゃなくて、問題はなかった。監督が緊張をほぐしてくれた。」
「僕の家族はリバプールでサッカー選手になることを夢見ていて、実現することができた。家族がどれだけ僕のことを誇りに思っているか、毎日トレーニングに行くたびに教えてくれるんだ。家族や親友のためというのは、とてもいい気分だね。」
「一緒に働いている監督や選手たちは別格で、彼らから「よくやった!」と言われるのは本当に素晴らしいことだよ。」
チアゴ・アルカンタラに代わり投入され、プレー時間はわずか6分と短い。しかし、満員のスタジアムで、カップ戦とは異なる雰囲気を経験すること、そしてピッチではボールにも触り、トップチームでのプレーを体感できたことが今後に向けた大きな財産となる。
インサイドハーフやアンカーとして試合展開の読みにも長ける若きミッドフィルダーが、さらなる歓喜をリバプールに運ぶ日も近いかもしれない…