ウェストハム戦での敗戦を払拭すべく望んだホームでのアーセナル戦。好調を維持する相手チームに対峙するリバプールは、チアゴ・アルカンタラがスタメン復帰を果たすなど、怪我人が増え続けるチーム状況の中で最高の試合を演じてみせた。
最終ラインが安定し、中盤でもファビーニョをアンカーに置いた布陣で、アーセナルにプレスをかけ続ける。絶好調のライバルチームは効果的な攻撃はできず、相手の隙を突き、前線で先発したサディオ・マネやモハメド・サラー、ディオゴ・ジョッタらが全員ゴールを奪う。
そして、77分には待望の瞬間が生まれた。フロントフォーの厚すぎる壁に阻まれ、プレミアリーグでは満足のいく出場機会が得られていない日本代表FW南野拓実が、トレント・アレクサンダー=アーノルドのグラウンダーのクロスに飛び込み、チーム4点目を奪取。
昨シーズンはサウサンプトンにレンタルされた期間では2ゴールを奪っているが、リバプールでは昨年12月19日のクリスタル・パレス戦以来となるリーグ戦での得点に、選手本人も喜びを爆発させた。
圧倒していた試合展開といえど、元セレッソ大阪FWにとっては重要なゴール。選手だけではなく、ユルゲン・クロップ監督も試合後のインタビューで喜びを隠せず、同選手のコンディションの良さを称えている。
「”タキ”(南野拓実の愛称)について、どれほどハッピーか言い表せられない。非常に状態が良く、4つのポジションに変更を加えるための解決策だったんだ。」
「彼は本当に良い瞬間を迎えている。日本代表として国際試合に出場し、今はここで我々にとって非常に重要な存在になっている。」
「ゴールを決めたことに対して、みんながとても喜んでいた。今日のプレーは、彼がトレーニングでの動きの良さをよく反映している。今後も試合にできることは間違いないよ。」
さらには、中盤に負傷者が続出している現状で、存在価値を示さなければならない元イングランド代表MFアレックス・オックスレイド=チェンバレンも古巣アーセナル戦に先発出場し、途中出場からゴールを決めた日本代表FWが持つ “ひたむきさ” を絶賛している。
「彼(南野)はゴールに値する。本当に一生懸命に働き、不平不満も言わず、素晴らしいサッカー選手だよ。カップ戦で見せる彼のプレーは、いつもクリニカルで、ゴールを奪っているね。」
来年1月にはサディオ・マネやモハメド・サラーの両エースが、アフリカネイションズカップ2021参加のためチームを離れる。新たなストライカー獲得の噂も過熱する中、日本代表FWに加えて、ベルギー代表に復帰したディボク・オリギらバックアップ陣にも期待が集まる…