インテル・ミラノからイングランドにやってきたフィリペ・コウチーニョは、アンフィールドで一躍スター選手へと成長。通算201試合54ゴール45アシストを挙げるなど、左サイドで攻撃の中心となり、攻撃のタクトを振るっていた。
自らゴールを決め切れるだけの得点感覚も持ち合わせ、母国ブラジル代表にも定期的に呼ばれるように。世界でも有数のミッドフィルダーとなった元リバプールMFには、スペインの名門バルセロナからの関心を持たれる。結果的には世界でも3番目に高額な移籍金とともに、リバプールを離れた。
しかし、バルセロナでは本領発揮とはならず、苦悩の日々を過ごすことに。バイエルン・ミュンヘンへのレンタル移籍も実らず、また負傷の影響もあり、絶対的な存在になり得ていない。若手の台頭も重なり、ポジション争いが熾烈を極めている。
出番の確保に苦しむブラジル代表MFには、かねてからプレミアリーグ復帰が噂され続けてきた。直近では新たなオーナー陣を迎えたニューカッスル・ユナイテッドが関心を示しており、コウチーニョに限らず、同クラブの来年1月の移籍市場における動きには世界中が注目している。
『SPORT』によれば、元リバプールMFはニューカッスルからのいかなるオファーにも応じることはなく、最低でも今シーズンが終わるまではバルセロナに留まる意思を固めた。シャビ新監督を迎え、新たな体制のもとで出番を増やすためにもポジション争いに挑む。
ただし、今シーズンがラストチャンスになる可能性は高く、今後のパフォーマンスが期待値に届かなければ、所属クラブは新天地探しをふたたび始めなければならない。
新会長のもとで、新型コロナや過去数シーズンにおける過剰な支出により財政的な困窮に陥っているクラブの立て直しを図っているバルセロナは、今夏にはリバプールやアーセナルなど強豪に加えて、エバートンなど中堅クラブにもブラジル代表MF獲得の打診を行ったと言われている。
少しでも高額な移籍金を回収したい同クラブが設定していた金額や、コウチーニョ側が求める給与額も高いため、イングランドのクラブであれど獲得に躊躇している。さらには、負傷癖や年齢も合わさり、売却できずに頭を悩ましている。
古巣への復帰を希望しているとも一説には伝えられているものの、ユルゲン・クロップ監督は獲得の可能性を否定しており、数年前にはアンフィールドを歓喜の渦に巻き込んだ “リトル・マジシャン” に目を向けることはないだろう。
現時点で売却に向けた積極的な動きを見せているとは思えず、次の移籍市場で放出されることはなさそうだ。それでも、スペインのクラブでのタイムリミットは迫っており、来年の夏には厳しい決断が求められるかもしれない…