2018/19シーズンに、リバプールのチャンピオンズリーグ制覇に貢献したベルギー代表FWディボク・オリギ。準決勝バルセロナ戦では意表をついたゴールで決勝点を奪い、ファイナルでもトッテナム・ホットスパー相手に試合を決める追加点を記録し、一躍シンデレラ・ボーイとなった。
しかし、その後は低迷している。カップ戦では結果を残すものの、サディオ・マネやモハメド・サラーほどの得点力はなく、ボールを持ちすぎる嫌いもあり、フロントスリーを織り成す選手たちとの連携での崩しにあまり参加できている印象はない。
昨年にはポルトガル代表FWディオゴ・ジョッタが加入すると、すぐさまチーム戦術にフィット。フロントスリーとも見事に連携し、新・フロントフォーを形成。ベルギー代表FWの序列は下がり、一時は日本代表FW南野拓実にも劣るほど試合数を減らしていった。
今季もカップ戦を中心に出番こそ得ており、ゴールという結果で応えているが、スタメンの牙城は崩せていない。プレミアリーグでは2試合のみで、いずれも途中出場。たった16分に留まっており、満足しているとは言い難い。
苦悩が続く元リールFWには、今夏の移籍市場では放出の噂が付き纏った。最終的には交渉がまとまらなかったのか、もしくは移籍先がなかったのか、完全移籍は成立せずに残留。選手自身も26歳とキャリアのピークを迎えており、これからのキャリア形成を真剣に考える時期に差し掛かっている。
前節ウェストハム・ユナイテッド戦では敗れた試合で、チーム2得点目を奪取。反撃の狼煙を挙げたリバプールFWに対して、イングランド・サッカーの代名詞とも言えるサッカーを展開したベテラン指揮官であるサム・アラダイス監督が、『Sport Bible』にて新たな金満クラブのニューカッスル・ユナイテッド移籍を提言している。
「オリギはリバプールを離れる必要があるとずっと思っている。予算的にも、例えばハリー・ケインよりもずっと安く済むだろう。」
「リバプールで素晴らしい仕事をしているが、毎週トップチームでプレーしなければならず、おそらくニューカッスルは彼に活躍する機会を与えることができるでしょう。」
エディー・ハウ新監督が就任したニューカッスル。補強プランはこれから話し合うだろうが、すぐに獲得できるオプションとしての “ディボク・オリギ” は面白い選択肢。カラム・ウィルソンとの併用、またはポジションを争わせるためには、実績と能力面で十分なストライカーになり得る。
リバプールはフロントスリーの世代交代を担える逸材を移籍市場で探しており、カリム・アデイェミ(レッドブル・ザルツブルク)やアルノー・ダンジュマ(ビジャレアル)らの動向を追っていると言われている。
バックアップとしてのオリギや南野拓実には満足しているようだが、スタメンを任せられるほどの信頼を得ているようには見えない。フロントフォーに食い込めるようなフォワードが加入した場合には、ベルギー代表FWもしくは日本代表FWには移籍の道が開けるだろう。
アフリカネイションズカップが来年1月に控えており、誰も獲得できない場合にはフォワードの枚数も足りておらず、放出はあり得ない。ただし、新たなフォワードが加わったらと仮定し、サム・アラダイス監督のアドバイス通り、イングランド北部への移籍が実現するのだろうか…?