フィルジル・ファンダイクやアリソン・ベッカー、ファビーニョ、トレント・アレクサンダー=アーノルド、アンディ・ロバートソン、ジョーダン・ヘンダーソン、ハーヴェイ・エリオットと多くの主力選手たちと契約延長したリバプール。
その一方で、契約延長交渉が難航するケースもある。エジプト代表FWモハメド・サラーと代理人は給与の大幅な増額を要求しており、リバプールは給与体系が崩れることを嫌い、交渉は暗礁に乗り上げている。得点を量産し続けるエースだが、来年には30歳を迎えるため、年齢もひとつの懸念事項となっている。
また、契約延長を申し出られないケースやシーズン終盤に駆け込み締結するケースも頻繁に見られる。サッカー選手であるため、契約がすべて。契約が切れれば、フリーとなり移籍先を自由に選べるものの、無職状態が長引くこともしばしば。
今シーズンのリバプールおいては、3選手が契約満了に近付いている。彼らが来シーズンもアンフィールドに残留するのか、または放出されるのか、はたまた契約延長に応じるのか。勝手かつ大胆に予想してみよう。
ジェームズ・ミルナー
2015年にマンチェスター・シティからリバプールに加わった元イングランド代表MFは、同年に就任したユルゲン・クロップ監督が目指す “ゲーゲン・プレス” の申し子として豊富な運動量と激しいプレッシングで中盤にエナジーをもたらしている。
副キャプテンとしても、ジョーダン・ヘンダーソンを支えつつ、若手が多く出場するカップ戦には負傷していたとしても現地で観戦し、若きプレーヤーたちを鼓舞し続ける。35歳とまさにベテラン選手となった同選手だが、近年は負傷の頻度が増えてきており、シーズンを通しての活躍が難しい。
それでも、インサイドハーフで出場した試合では今季も変わらずのパフォーマンスを披露しており、ナビ・ケイタやアレックス・オックスレイド=チェンバレン、カーティス・ジョーンズらでは少し物足りない中盤に強度を与える。
プレーぶりでも、精神面でもチームに欠かせない存在。複数年契約は期待できないかもしれないが、単年契約での契約延長が濃厚だろう。将来的にはアカデミーで監督やコーチする姿も容易に浮かぶ選手であり、手放すのはもったいない。
ポジション:ミッドフィルダー
契約満了日:2022年6月30日
残留可能性:100%
ロリス・カリウス
チャンピオンズリーグ決勝戦での悪夢を払拭できず、以前のプレーぶりを取り戻せずにもがく元ドイツU-21代表GKロリス・カリウス。ベシクタシュやウニオン・ベルリン移籍も助けにならず、低空飛行から抜け出せない。
守護神アリソン・ベッカーの足元にも及ばず、若手GKクィービーン・ケレハーやベテランGKアドリアンに後塵を拝しており、カップ戦などもアカデミーGKがベンチを温める。試合出場はおろか、ベンチ入りすらできない日々が続いている。
完全なる戦力外となっているドイツ人GKと契約延長を締結する確率は皆無。報道によれば、今冬で双方合意のもと、契約解除にも踏み切る可能性すらある。リバプールでの未来は全く見えず、放出は避けられない。
移籍金がかからないとはいえ、過去数シーズンにわたり満足いく出番を得られていない同選手だけに、新天地探しは難航を極めるかもしれない。かつて元リバプールGKシモン・ミニュレとポジションを争い、ドイツでも期待の若手GKと呼ばれたパフォーマンスを取り戻す姿を願ってやまない。
ポジション:ゴールキーパー
契約満了日:2022年6月30日
残留可能性:0%
ベン・ウッドバーン
マイケル・オーウェンを思い起こさせるほどの若さで、アンフィールドを歓喜の渦に巻き込んだウェールズ代表FWベン・ウッドバーン。偉大なワンダーボーイの最年少得点記録を「98日」上回り、当時は次世代エースとして大きな期待を背負っていた。
しかし、その後は伸び悩む。オックスフォードやブラックプールにレンタル移籍するものの、大きな成果を挙げられずに、徐々にリバプールでの立場も危うくなっていく。ポジションもフォワードからミッドフィルダーに変更し、クラブ側もなんとかしてポテンシャルを開花させたい気持ちが窺える。
今季はプレシーズンで好プレーを披露し、トップチームに帯同するかに見えたが、ハート・オブ・ミドロシアン(スコットランド)に1年間のローン移籍を果たしている。レンタル先ではリーグ戦10試合に出場し、うち8試合でスタメン出場。2ゴール1アシストを記録している。
ただし、リバプールでの未来は明るくない。フォワードやミッドフィルダーに補強の噂が絶えず、アカデミー出身選手もトップチームデビューを果たす中、居場所は残されていない。ウェールズ代表FWにとっても試合に出れるクラブへの移籍で、キャリアの転換を図りたいところだ。
ポジション:フォワード / ミッドフィルダー
契約満了日:2022年6月30日
残留可能性:0%