スコットランド・レンジャーズからアストン・ヴィラの新監督に電撃就任したスティーブン・ジェラード監督。リバプール監督就任を前に、プレミアリーグでのチャレンジを選択した元リバプールMFは、成績不振に苦しむクラブの立て直しを任された。
すると、イングランド・レジェンドの指揮官就任はいきなり好調をもたらす。ホームの歓声を後押しに初陣となったブライトン戦では、今シーズン波に乗るイングランド南部のクラブを撃破。続くアウェーでのクリスタル・パレス戦でも1点差で勝利を手に入れた。
一気に11位まで順位を上げた同クラブは、近づく今冬の移籍市場での補強に着手を進めている。『The Sunday Mirror』によれば、ジェラード監督は古巣リバプールで出番に恵まれておらず、カタールW杯に向けてイングランド代表復帰を狙うDFジョー・ゴメスの動向に注目している。
センターバックの序列では、フィルジル・ファンダイクやジョエル・マティプ、イブラヒマ・コナテに次ぐ4番手となっており、ここまで7試合のみの出場に留まっている。負傷の影響などもあり、ベンチ外になることもしばしば。
昨年にはイングランド代表でのトレーニングで大怪我を負い、オランダ代表DFとともにリハビリに励んだ。今季はリバプールがプレミアリーグを制覇したときのようなパフォーマンスを期待されたものの、調子は上がらずじまい。もどかしい日々を過ごしている。
来年にはカタールでのワールドカップが控えており、イングランドはすでに出場権を得ている。ハリー・マグワイアの不調やジョン・ストーンズのクラブでのスタメン落ちなどチャンスは転がっているが、ゴメス自身もガレス・サウスゲート監督へアピールできていない。
出場機会を求めるジョー・ゴメスが、半年間のレンタルで別のクラブに移る希望を抱いても不思議ではない。ジェラード監督は同選手の希望を叶えられるかもしれない。イングランド代表DFタイロン・ミングスの相棒として、元チャールトンDFに白羽の矢を立てる可能性も十分あり得る。
エズリ・コンサやアクセル・トゥアンゼベ(マンチェスター・ユナイテッドからのローン)らがポジション争いを繰り広げる中、センターバック陣容の強化を目論む可能性も否定できない。そして、良好な関係を保つ古巣からの補強は現実味を増している。
しかし、ユルゲン・クロップ監督は簡単には放出させないだろう。5番手としてナサニエル・フィリップスが控えているとはいえ、サイドバックでもプレー可能な同選手は貴重な戦力であり、ジョエル・マティプには常に負傷の懸念が付き纏っている。
過去には、オランダ代表DFと最高のセンターバックコンビを形成していただけに、復活を期待する声も大きい。選手の心情を慮って、半年間限定でのローン移籍を容認し、完全復活を願うパターンもあり得なくはない。
はたして、アストン・ヴィラは新たなディフェンダー確保に動くのだろうか、一方でジョー・ゴメスはイングランド代表復帰に向けて移籍を志願するのだろうか…?