2016年にニューカッスル・ユナイテッドからリバプールに移籍したオランダ代表MFジョルジニオ・ワイナルドゥムは、豊富な運動量と激しいプレッシングでクロップ・サッカーを体現する一方で、効果的な攻め上がりで攻撃時にも相手に脅威を与え続ける。
2021年には契約満了に伴い、バルセロナ移籍が取り沙汰されていたものの、最終局面でパリ・サンジェルマンが強奪。バルセロナに比べ、数倍とも言われる給与額に加えて、マウリシオ・ポチェッティーノ監督からのラブコールでフランス上陸が決定した。
リーグ・アンでは、開幕戦からスタメンで出場してきた元リバプールMFだが、徐々にベンチスタートが増えつつある。ここまで17節まで終えたリーグ戦で、スタメンは7回、途中出場が7回(うち、2試合は怪我により欠場)となっており、絶対的な存在になり切れていない。
リオネル・メッシですら苦戦を強いられるフランスの地で、オランダ代表MFも順風満帆のスタートダッシュは飾れていない。そんな状況において、スカイ・スポーツなどでリポーターと務めるケイヴェ・ソルヘコル氏はツイッターで、パリ・サンジェルマンが元リバプールMFの期限付での放出に前向きであり、アーセナルが興味を示していることを示唆している。
PSG willing to listen to offers for Georginio Wijnaldum to go out on loan next month. Player would be open to a move back to Premier League. Arsenal thought to be an option.
— Kaveh Solhekol (@SkyKaveh) December 8, 2021
リバプールとは給与額で折り合いがつかず、契約延長の合意ができなかった両者。昨シーズンの最終節にはコーチやチームメイトからガード・オブ・オナーでお別れセレモニーが行われ、記念品を送られており、交渉決裂したにも関わらず友好な関係を築いている。
ワイナルドゥムの退団で中盤での強度を失っている試合も多く見受けられる。ジョーダン・ヘンダーソンやジェームズ・ミルナーは年齢的にもフル稼働は難しく、ナビ・ケイタやアレックス・オックスレイド=チェンバレン、カーティス・ジョーンズらは少し怪我がち。
若き逸材ハーヴェイ・エリオットも長期離脱を余儀なくされ、ファビーニョのバックアップとして台頭するタイラー・モートンもまだまだ経験不足。チアゴ・アルカンタラが本領発揮し始めているものの、プレミアリーグに来てから負傷が多くなっている印象。
シーズン途中の来年1月の移籍市場での獲得はときに困難を極め、市場価値よりもぼったくられる可能性もあり得る。よほど緊急事態、もしくは夏の時点で話がまとまっている以外では、動きにくい市場であることは確か。
依然としてサポーターから愛され、復帰待望論も囁かれるオランダ代表MFのリバプールの短期復帰は理想的かもしれない。残り半年間で、エリオットやモートンに経験を積ませつつ、負傷者の可能性を見据えると、中盤であればどこでもプレーできる存在は貴重そのもの。
ツイートによれば、アーセナルの名前が挙がっているものの、義理堅い男だけに、直接的なライバルになりかねないロンドンに拠点を置くクラブへの移籍は考えにくい。リバプールが動くかは不透明だが、給与の負担額が許容できるのであれば、是が非でも獲得を狙ってもらいたい。
そして、来年の夏に契約満了が近いナビ・ケイタやオックスレイド=チェンバレンらの去就を整理しつつ、新たなミッドフィルダーを補強する流れが綺麗に流れそうだ…