直前のリーズ・ユナイテッド戦が新型コロナの影響を受け、延期になり、十分な休息を得たはずのリバプール。コロナ陽性で離脱していたフィルジル・ファンダイクやファビーニョ、カーティス・ジョーンズが戻り、万全の布陣でカラバオ・カップ準々決勝で破ったレスター・シティ相手に勝利が期待されていた。
一方で、レスター・シティは怪我人が続出。絶対的なスタメンとは言えないDFダニエル・アマーティと、守備的MFが本職のMFウィルフリード・エンディディをセンターバックコンビに選ばざるを得ない状況にも、カウンターに全振りした戦術でカップ戦の雪辱を図る。
ジェイミー・ヴァーディとケレチ・イヘアナチョを残し、全員が守備に重きを置いた布陣で構えるレスターに、サイドバックからクロスこそ入れられるが、簡単に弾き返されるリバプール。モハメド・サラーがPK奪取し、先制点かと思われたが、まさかのPK失敗。
これでゲームプランを変更しなくてよくなったブレンダン・ロジャーズ監督は、守護神カスパー・シュマイケルの見事なセーブなどもあり、前半を無失点で折り返す。後半には今季から加入したFWアデモラ・ルックマンが決勝点を挙げ、レスター・シティは完璧な試合を展開した。
リバプールは試合終了まで枚数を割いてディフェンスするチーム相手に好機を見出せず、本来の脅威を発揮せずに敗戦が決定。なす術なく黒星となった印象の強いチームに対して、ユルゲン・クロップ監督すらも説明が難しいと吐露している。
「チェルシーとリバプールは近く対戦する。(マンチェスター・)シティが差を広げるチャンスを与えることは、我々のプランではなかった。」
「今夜のようなプレーをすれば、シティに追いつくことなど考えないが、自分たちのサッカーができれば、それが何を意味するかは理解している。今夜のゲームについては、きちんとした説明ができていない。それを見つけることが私の最大の関心事で、シティではないよ。」
「我々は本当に悪い試合をしたから、当然の結果だ。とても奇妙な試合だった。私たちは十分な力を発揮できなかった。」
「今夜の試合はあまり好きではなかったし、もっとうまくやらなければならない。よりうまくディフェンスする必要があった。いつもはできているのに、今日はなぜできなかったのか、説明するのは難しい。普段のレベルを下回るパフォーマンスが多かったため、説明する術を知らない。」
PK失敗に加えて、リバウンドもゴールマウスにねじ込めなかったエジプト代表FW。スペースがない中で、工夫しながら攻撃するも、効果的な攻め手を欠いた同選手だが、クロップ監督はひとりの選手に責任を押し付けることを避けている。
「サラーには少しも非はない。彼はいつも、こういう状況から得点している。サラーはチームの一員であり、チームも普通はもっと良いプレーを披露する。今夜はそうでなく、負けてしまった。」
プレミアリーグで首位を走るマンチェスター・シティとの差が開いてしまったリバプール。次節はスタンフォード・ブリッジでのチェルシー戦。難しい相手に、相手の本拠地で戦うこともあり、難しい試合内容が想定される。
しかし、今回の敗戦でチェルシー戦では白星を手に入れなければならなくなった。シーズンはまだ長いが、勝ち点“3”を得られなければ、勝ち点差は最大“9”に広がる。実力を考えると独走状態に入るシティに食らいつくためにも、不甲斐ないパフォーマンスから抜け出し、本来のプレーでふたたび複数得点を期待したい…