23歳にして、世界的なサイドバックへと上り詰めたトレント・アレクサンダー=アーノルドが君臨するリバプール・右サイドバック。近年では課題に挙げられてきたディフェンスも改善傾向にあり、いよいよ攻守両面で、バランスの良いサイドバックになりつつある。
イングランド代表にも招集されるアレクサンダー=アーノルドのバックアップを務めるのが、ウェールズ代表DFネコ・ウィリアムズ。アカデミー育ちの同ディフェンダーは、豊富な運動量を武器に、カーティス・ジョーンズやハーヴェイ・エリオットらとともにトップチームに定着。
順調な成長を見せる他の2選手とは対照的に、レクサム出身サイドバックは苦戦している。代表でこそベラルーシ相手に得点を挙げるなど前線での攻撃で活路を見出しつつあるが、リバプールでは度重なるミスやまずいポジショニングを指摘されることも多い。
弱冠17歳で北アイルランド代表デビューを飾っている若きDFコナー・ブラッドリーが台頭し、ポジションを脅かしている。年齢の差もあり、フィジカルが出来上がっていない北アイルランド代表DFだが、サッカーセンスは高く評価を得ており、カラバオ・カップでは3試合に出場。1分間のみだがチャンピオンズリーグデビューも果たした。
『The Athletic』によれば、リバプールはウェールズ代表DFの売却に前向きで、コナー・ブラッドリーをイングランド代表右サイドバックの控えに据える準備を進めている。今冬ではないが、来夏以降で獲得オファーに耳を傾けるそうだ。
2021年夏にも移籍騒動が巻き起こっていたネコ・ウィリアムズは、出場機会を求め、ローン移籍もしくは完全移籍での退団を希望していたと言われており、リバプールは当時からコナー・ブラッドリーやジョー・ゴメスを控えに回し、対応すると報じられてきた。
ここ最近で急成長を遂げている北アイルランド代表DFだが、夏の時点ではまだ未知数だったこともあり、ウェールズ代表DFはリバプールに残留。コンディションが整わず、シーズン開幕ダッシュは飾れなかったが、チャンピオンズリーグやカップ戦で徐々に出場時間を確保していく。
ただし、レギュラーになるほどの実力を示しきれず、むしろ不要なボールロストなど不安定なパフォーマンスに終始する試合も多く、昨シーズンから批判の的になることもしばしば。トレント・アレクサンダー=アーノルドが凄すぎるが、それにしても控えですら物足りない印象も否めない。
アップダウンを厭わない汗をかける選手だけに、個人的には好きなタイプ。それでも、ここ2年間での成長は物足りず、コナー・ブラッドリーの急成長ぶりに目がいくのは仕方ない。より身体が出来上がる来シーズンは、控えのポジションを奪われかねない。
今後のキャリアを考えて、出場機会を求めるネコ・ウィリアムズ。新戦力獲得に向けた資金確保ならびに、非凡なポテンシャルを持つ若きディフェンダーの台頭で放出を模索する所属クラブ。両者にとって、今回の取引は良いものになることは間違いない。
来シーズンこそリバプールにユニフォームを脱ぐことになりそうなウェールズ代表DFだが、新天地はどこになるのだろうか…?